内容説明
一九九一年十二月以降、相次いで起こされたアジア各国及びオランダの元「慰安婦」の訴訟は、日本の法律の障壁に退けられ、また歴史教科書の「慰安婦」についての記述はほとんどが削除あるいは曖昧で不明瞭なものになりつつある。はたして歴史の真相は一体どうなったのか。「慰安婦」は本当に「公娼」と同じ「商業公益の行為者」であったのだろうか。本資料集は今回初めて公刊される『台湾総督府文書』と『台湾拓殖株式会社文書』のなかの台湾娼妓・慰安婦関係資料を中心に、『台湾年鑑』、『台湾総督府統計書』等の統計資料や吉見義明氏、(財)女性のためのアジア平和基金によって整理・調査された外務省・防衛庁所蔵のなかの台湾慰安婦関係の資料を一部引用して編集した。真実の歴史を回復するための貴重資料。
目次
第1部 台湾総督府文書中の公娼管理関係資料(台中県令第二号貸座敷並ニ娼妓取締規則;澎湖庁令貸座敷及娼妓営業取締規則;澎湖庁令第十六号貸座敷及娼妓取締規則 ほか)
第2部 台湾拓殖株式会社文書中の慰安所・慰安婦関係資料(台湾拓殖株式会社の設立及び事業概況;台湾拓殖株式会社と慰安所・慰安婦関係;福大公司の設立と慰安所経営との関係 ほか)
第3部 外務省・防衛庁文書中の台湾慰安婦関係資料(新竹州知事赤堀鉄吉;台南州知事川村直岡;澎湖庁長今田卓爾 ほか)
著者等紹介
朱徳蘭[シュトクラン]
台湾国立政治大学卒業、お茶の水女子大学文学修士、九州大学文学博士。近世・近代中日関係史、日本帝国主義史専攻。現在、台湾中央研究院中山人文社会科学研究所副研究員。また、台湾国立政治大学、国立中央大学歴史研究所兼任助教授
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