内容説明
本書の特色は一世の日本への忠誠心loyalty、アメリカへの忠誠心allegianceを軸として、戦前の日本人移民のホスト社会への対応を、時代ごとに分析したものである。アメリカ移民史の盲点とされてきた1930年代が見事に解明された。本書は近年における最良のアメリカ移民史であると共に、一般読者にとっても今日の日系人を理解するうえでの必読の書である。
目次
移民のアイデンティティと二つの国家―日本人アメリカ移民史研究序説
第1部 移民のナショナリズムと社会的結びつき(日本人移民社会の形成;シアトルの日本語新聞;日本人会ネットワーク;日本人移民と“国語”教育)
第2部 移民の定住戦略と二つの国家(北米における日本人農業の展開と定住戦略―一九〇〇~一九四二年;外国人土地法との闘い;在米日本人の「二重国籍問題」解決運動―太平洋沿岸日本人会協議会の取り組みを中心に;開戦前夜の在米日本人)
著者等紹介
坂口満宏[サカグチミツヒロ]
1958年北海道に生まれる。1990年同志社大学大学院文学研究科(文化史学専攻)単位取得退学。現在、京都女子大学文学部史学科助教授
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