出版社内容情報
死を覚悟した男たちが命を懸けて守り抜いた矜恃!
無二の友・吉村貫一郎を恫喝し、問答無用に切腹を命じた大野次郎右衞門。
その内に秘めた真実の思いは「忠義」を全うした中間・佐助だけが知っていた——。
孤高の作家ながやす巧が浅田文学の最高峰に挑む珠玉作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
20
吉村貫一郎に切腹を命じた大野次郎右衛門、その胸中を振り返る「中間・佐助編」。凡庸な漫画家であれば、証言が始まってすぐに回想場面を描いてしまうだろう。それは、語る者と聞く者だけがいるという地味な空間に画が持たないからだ。しかし、ながやす巧は回想に入るまでの導入部分を、丁寧に枚数を重ねて描く。ながやすの画に力が、いや、魂がこもっているからこそ、地味な場も映えるのだ。何より、その導入を丁寧に描いているゆえに、回想場面の切実さがより伝わってくる。(つづく)2021/11/14
eihuji
2
11/9読了。 佐助の証言。 大野次郎衛の生き様を語り、最後に吉村貫一の末子に関わる。 たぶん次巻がゴールだろう。 2021/12/31
イコ
1
忠義と孝行とは同じものだ。2024/11/12
ふまんじゅう
0
今作もびちゃびちゃに泣ける。 なんでこんなに…?と自分でも思う。 おかしいんじゃないかとすら思う。 ちょっと冷静になって振り返ってみる。 多分私は、愛する人に誠実で欲得なしの厚い愛情を注ぐ人の姿をみると、その美しさと、切なさに胸がいっぱいになってしまうのだと思う。苦しいほどに。 思い出してまた泣いてる。 親から子への愛。子が親思う愛。主君への愛。伴侶への愛。友への愛。 人の数だけ違った愛があり、それが生きていく意味にも死ぬ意味にもなっている。 冷静ではいられない。 泣ける。辛い。でもまた読む。