感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
305
水木しげるさんの貸本名作選・全10話収録の恐怖の巻です。本作はゲゲゲの鬼太郎以前の作品集で内容は本格的な怪談・幽霊譚ですが、怖さはあまり感じられませんでしたね。水木先生の怪奇マンガは総じて怖くないから安心してじっくりと冷静に読めるという点が逆に長所なのではないかと私は思いますね。あまりにも怖すぎると小さな子ども達から敬遠される恐れもありますし程々の怖さ・不気味さが大人気を獲得した理由だと思われますね。ユーモアは皆無で古風な昔ながらのストーリーは新味こそないですがきっちりとした怪談噺で安心の読み心地ですね。2021/09/07
袖崎いたる
4
ぼくにとってのはじめての水木しげる作品。敢えて一文で表してみるなら、日本の風景を逸脱するエキゾティズム、であろうか。本作は水木通な人は喜ぶと思いますが、飽食時代の現代っ子が読むとなると、『進撃の巨人』なんかの方がいいと思うかもしれない。それでもなお、本作品群の価値は貶められはしない。本作品はいわば通時的価値視点から読まれるものであろうから。2015/04/13
Mark.jr
3
「ゲゲゲの鬼太郎」の水木しげる先生の貸本時代の作品を収録した本です。後の作品ほど絵が洗練されておらず、また貸本の性質上印刷も粗いのですが、それが漫画な怪奇性や不気味さを強くしています(特に、「墓をほる男」のエレベーターガールの焦点の合ってない目は妙に怖い)。そんな中でも、水木先生的なユーモアやキャラクターなど、後の作品に見られる要素が散見できるのが興味深いです。2019/07/13
リプリー
2
水木しげる先生に追悼の意を込めて。 どれも傑作。一話目から兎に角怖くて面白い。本書の魅力、水木先生の凄さは解説で京極夏彦さんが語っているので、僕が書くまでもあるまい。 貸本時代の水木先生は極貧な状況にあった。当然アシスタントなどいるハズもない。なのに、この画力。迫力ったらない。構図もダイナミックで素晴らしい。 大人向けな内容とあって、ストーリーも恐ろしく、後味も苦い 物が多い。 「水木しげる先生=少年向きの漫画」と思っている人にぜひともお勧めしたい。2015/12/03
タリホー
2
怪奇作品と言っても、社会的風刺が効いた物や殺人要素の含まれる話もありバリエーション豊富。東名義で描かれた「髪」はユーモアもある。「墓をほる男」は後にリメイクされるが、こちらはその原点。2015/02/08
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