出版社内容情報
木曽路はすべて山の中──。江戸から遠く離れた木曽馬籠宿に一人の青年がいた。黒船、開国、王政復古。勤王派対佐幕派の烈しい対立に揺れ、激変する世の中を見据えつつ、輝かしい新時代を夢見て、夜明け前を生きる…!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
寺(ご無沙汰しかしてない)
7
島崎藤村の大作を漫画化。絵が綺麗。陰鬱なる幕末明治もの。龍馬や新撰組ばかり読んでいると、こういう維新もあった事に改めて思い至らされる。国学に心酔する主人公・半蔵は復古を期待したが、到来したのは開化。新時代の改革に翻弄される半蔵。明治初期の士族の反乱は、半蔵の様な気持ちが根底にあったのであろうな。しかし当の半蔵は静かに狂って行く。志も才能もありながら、歴史に参加できなかった孤独も感じた。面白さもあるし、つまらなさもある。ちくま日本文学全集が第二部だけ収録した理由がよくわかった。物語自体の前半がつまらないので2012/03/29
とやまっこ
2
日頃目にする幕末史とは異なる視点なので新鮮でした。そして半蔵の苦悩が非常にリアルでした。また人々の徳川へのご恩の語りに重みがありました。2012/01/02