内容説明
世界で活躍するプロパフォーマーのアイデンティティをめぐる長い旅。
目次
1 いじめと差別(最初の記憶;ウトロ地区 ほか)
2 ジャグリングとの出会い(「コロコロ」が学校生活を変えた;ハイパーヨーヨーに夢中 ほか)
3 世界的プロパフォーマーへ(入国でひと騒動;まさかの結果 ほか)
4 ルーツを辿る旅(韓国編;北朝鮮編 ほか)
5 僕の「役割」(ハラボジの遺言;パフォーマーの苦しみ ほか)
著者等紹介
ちゃんへん.[チャンヘン]
1985年、京都府宇治市生まれ。中学2年の時にジャグリングと出会い、翌年には米国のパフォーマンスコンテストで優勝。『大道芸ワールドカップ2002』では出場者中最年少17歳ながら人気投票1位を獲得。高校卒業後は海外で本格的にプロパフォーマーとして活動し、オーストラリア『第50回ムーンバフェスティバル』にて最優秀パフォーマー賞を受賞。2009年からは活動の拠点を日本に置き公演を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
52
読もうと思った時から感じていたことが、タイトル。読み始めて、やっぱりそうかと思った。この国にある差別・差別感情は、どの国にもあるとは思うが、改めて認識。その中で、悩みながらも前に進んだ結果が、今のちゃんへんさん。さらに考えたこと。人に関心を持ち、人の中にはいっていくこと。ここが根っこだと思うし、ご家族の姿勢がそれを育んだのだと思う。それを、ジャグリングという世界をもとに、さらに広げている姿に未来・明日を感じる。2020/10/25
ichi-papa
48
私、この方の講演・パフォーマンスを2度見たことがあります。講演も素晴らしかったですが、この本もとっても良かったです。講演を補完している感じかな。小学生時代のいじめのこと、自分の出自・アイデンティティーのこと、自分のやるべきことについて・・・そのどれもに共感しました。とっても元気が出ました。実はこの本、図書館で借りたのですが、そばに置いておきたくて本屋さんでに注文しました。また、この方のパフォーマンスが観たいし、講演が聞きたいなあ。2020/12/05
ばんだねいっぺい
39
著者のお母さんの校長先生への啖呵にお母さんの人生が詰まっていて目頭が熱くなったし、夢のために一世一代の相談をしたときの祖父母の反応もまた、ハンカチなしでは読めない。心からヘイトスピーチをヘイトする。というか、単にやめてほしい。相手のためにも自分のためにも。2020/08/27
慧の本箱
18
中学2年でジャグリングと出会いその翌年に単身渡米。その際初めて自分の国籍問題に直面。そこから彼のアイデンティティの旅が始まります。そんな彼の素直で飾り気のない文章が綴られています。2021/08/30
あや
18
プロパフォーマーで在日コリアン3世のちゃんへんさんの自伝。小学生時代の凄絶ないじめ。愛情深いお母様。お祖父様、お祖母様の教え。海外でのパフォーマンスの経験からやがてご自分のルーツを訪ねる旅。韓国側からも北朝鮮側からも軍事境界線を訪ねる旅。サハリンの朝鮮族の悲しい歴史を知る旅。お祖父様、お祖母様の死。ヘイトスピーチとの対峙。ご自分が「架け橋」と言われるけど誰もが「架け橋」にならなければならないと説く。差別を撲滅したいすべての方に読んでほしい良書。2020/12/02