出版社内容情報
2013年1月に死去した「昭和の大横綱・大鵬」。32回の優勝は歴代1位。国民栄誉賞を受けた大鵬の知られざる逸話を、芳子夫人に多くを聞き、さらに綿密な周辺取材を通して描き出した渾身のノンフィクション。
内容説明
芳子夫人と娘たち、弟子たち、親しかった友人たちへの取材を通して「人間大鵬の素顔」に迫る!
目次
第1章 大横綱の伴侶(昭和の大横綱が見初めた19歳;大鵬の速攻ラブコール;新婚生活はおかみさん教育から;義母に託された大横綱の出生)
第2章 大横綱の試練(入門から大横綱になるまでの道;大鵬の栄光とライバル柏戸;引退、一代年寄大鵬の部屋開き;脳梗塞に倒れる、リハビリの日々)
第3章 大横綱から師匠の道へ(弟子から見た師匠・大鵬;大鵬部屋から大嶽部屋に;大鵬の素顔)
第4章 大横綱の遺志(父と3人の娘たち;大鵬の最期;忍から夢へ)
著者等紹介
佐藤祥子[サトウショウコ]
1967年生まれ。週刊誌記者を経て93年より大相撲を中心にライターとなる。日本相撲協会認定・相撲健康体操指導員の資格を持つ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kawa
30
「巨人 大鵬 卵焼き」と言われた昭和の大ヒーロー横綱・大鵬さんの評伝。その輝かしい成績から天才の名を欲しいままにしていたと思いきや、天才と言われるのが大嫌いの努力の人、ライバルだった横綱・柏戸こそ天性の相撲勘を持つ天才だったが意外でびっくり。良くも悪くも昭和の人。自分の切り拓いた道に自信をもち、家庭生活では横暴ワンマン、人一倍寂しがり屋、焼き餅焼きは、あの頃はよくいたタイプか。もちろん今は許されずレッド・カードだろう。女性読者の腹立ち感想良く解ります。(2013年刊)2024/12/17
ようはん
18
夫人や弟子から見た昭和の大横綱・大鵬。良く言えば大横綱としての責務や親方としての弟子の育成、自身の病気において苦難を乗り越える忍耐と努力するストイックさがありまた気前よくユーモアな面も持ち合わせているが、一方で夫人に対しては亭主関白というか間違いなく今の価値観だったら完全にDVレベルの事をしでかしてたのがちょっと引いてしまう。後年に入り丸くなったのもあって夫人にとっては昔の良き思い出みたくなっているのが救いではあるが。2020/01/24
石橋
3
図らずも命日に読了。表紙に使われた結婚前の二人の姿がとても初々しく、ほぼジャケ買い。特に夫人の視線とぎゅっと握った両手が力強い。しかし読んでみると大横綱大鵬の神経質さ、DVと言わざる得ないような行動が描かれている。大横綱というだけでなく、期せずして時代の象徴になってしまった人間の有様と思うと切ない。2015/01/19