出版社内容情報
人類の祖先が生み出した太古の社会の中で、「愛」を誇りにさまざまな困難に立ち向かい、人類の英知をきわめていくエイラの壮絶で勇敢な物語。第一部から31年を費やして完成した、シリーズ最終章。
著者等紹介
アウル,ジーン・M.[アウル,ジーンM.] [Auel,Jean M.]
1936年、シカゴ生まれ。18歳で結婚、25歳で五人の子の母となる。エレクトロニクスの会社に勤めるかたわら、ポートランド大学などで学び、40歳でMBA(経営学修士号)を取得する。この年に、先史時代の少女エイラを主人公とした物語の執筆を思い立ち、会社を退職して執筆活動に入る
白石朗[シライシロウ]
1959年、東京生まれ。早稲田大学第一文学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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文庫フリーク@灯れ松明の火
68
ゼランドニとなる修行・天体観測の最中、大地の女神の「召命」受け、聖なる泉ケ巌の深窟で<女神の歌>に新たな箴言・最終節を賜るエイラ。しかし女神の賜物へ支払う代償は高く、身籠った子を召されてしまう。「召命」で賜った箴言をゼランドニアに伝え、ゼランドニとして認められるエイラ。他の人々から羨望されるエイラとジョンダラーを憎む者がもたらす災い。マローナの毒はジョンダラーを籠絡し、エイラを「嫉妬」の毒で狂わせる。ララマー・ブルケヴァル・マドロマンと、エイラに悪意持つ3人も絡み再びすれ違い、互いに自身を責めるエイラと→2015/01/11
punyupunyu
19
エイラがついにゼランドニになりましたね。ただ身ごもっていた第二子を流産してしまうのは悲しすぎました。ゼランドニになるための修行が忙しく、家族と過ごす時間が少なくなってきたところで浮気をしてしまうジョンダラーは、やはり浅はかです。その仕返しのために軽蔑する異性に体を開いてしまったエイラもやはり浅はか。薬でトンでしまったエイラを与ぼ戻して絆を再確認しましたが、このあたりのくだりは似た展開が昔ありましたね。2015/02/25
マッピー
17
ようやく物語の完結を読めた喜びとともに、久しぶりにストーリーが比較的テンポよく進んだので、面白かったといえる。ただ、やっぱり無駄な描写や繰り返しが多すぎるし、挿絵がなくてイメージがわかない部分もあるため、大満足とはいかなかった。ネアンデルタール人もクロマニヨン人も、基本的にはひとりで生きていくことが難しい時代を、ひとりの力を最大限に生かして生きたエイラ。人類史の膨大な資料をもとに、狩や道具だけではなく、文化や宗教までを網羅したフィクション。作者も読者も、お疲れさまでした。2025/04/02
Book Lover Mr.Garakuta
13
最後は、なんだか自分の単細胞では理解し難くゲームのドルイド僧の様な存在かもと思った。スケールの壮大さは感じるが、内容の方はもう一つだと思う。2019/05/06
sumi
9
長かったエイラの旅の終わりです。今まで原始社会の根源をエイラの目線から辿ってきたのが、いきなりこの巻でジョンダラーの浮気からエイラの嫉妬とと仕返しという内面に向けた話になりびっくり。しかし、それが父親の概念のなかった古代から新たな時代に移る兆しだったんですね。今では当たり前の概念が当たり前ではなかった頃、父親の存在を認めることがもたらす変化のいい面、悪い面、それを考えさせられました。2016/06/30
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