内容説明
1961年、親鸞聖人七百回御遠忌を機に、当時の仏教界を代表する鈴木・曽我・金子の3氏が、京都・比叡山上に集まった…。半世紀前、各界の注目を集めた名著『親鸞の世界』。2011年、宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌を機縁に、新装改訂版として再び世に送る。
目次
第1部 親鸞の世界(座談会)(鈴木大拙;曽我量深;金子大榮;金子大榮;西谷啓治)(言葉;本願;如来と衆生;回向;体と義;国土荘厳;機;教団の使命)
第2部 記念講演(浄土の機縁(金子大榮)
信に死し願に生きよ(曽我量深)
本願の根元(鈴木大拙))
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kichy
4
60年以上前の比叡山上で親鸞の思想を自由で大らかな雰囲気の中、繰り広げられた対談を再現したもの。自己を徹底的に深く見つめると避けがたい悪、煩悩の部分にぶち当たる。比叡山でどれだけ苦しい修行をしてもこの部分を解決できない親鸞は阿弥陀如来の本願を知り救われていく。内省的な人間や耐え難い苦悩を経験した人間でないとなかなか親鸞の思想の肝心なところは理解できないのではないか。金子大栄の浄土の教えほど生活に即したものはないという言葉が印象的。2025/05/25
鹿野苑
4
鈴木 大拙、金子 大榮、曽我 量深の3人の対談の司会が西谷 啓治。 なにこの豪華絢爛さ。 くまなく真宗の肝要について話しをされるわけだが、鈴木師のつっこみが素な感じでものすごい。あくまで冷静、言葉を選ぶ金子師に自分の言いたいことが溢れてきたら止まらない曽我師。絶妙な質問を交えて話しを振っていく西谷師。これいろいろ考えられたけど空気感を伝えるためにそのままテープ起こしみたいな場面もあるんだろうな。 2023/02/26