感想・レビュー
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ken
4
正信偈は大きく三つの段落で構成される。親鸞の信仰的立場の表明、阿弥陀仏についての説明、釈尊の教えを脈々と伝えてきた7人の高僧についての説明。その記述の底には親鸞の罪意識、阿弥陀仏への報恩、そして苦悩する人々への憐憫がある。「自らの救済を得て他者を救済する」のが大乗仏教の精神。人間は救われなければならないし、愛する人々を救うことができる、そう思うことができればどんな時代でもどんな世の中でも確かに生きていける。「大乗非仏説」という史的な事実は大きな問題ではない。念仏に生きて念仏に救われた先人の姿に意味がある。2018/07/20