出版社内容情報
「生まれたばかりの息子を初めて腕に抱いたとき、いつか彼が数をかぞえたり計算をしたりする日が来るとは、まだとても信じられなかった。言葉もない、概念もないのだ」(本書より)。しかし、やがて、子どもの心の中には数が“生まれ”、おとなと共に“育み”あうようになる。3歳と0歳のきょうだいが、8歳と5歳になるまでの驚きに満ちた日々。独立研究者、森田真生があたたかく見守り、やわらかに綴る。画家、西淑による挿絵もふんだんに掲載。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えつ
11
西淑さんのイラストに惹かれて、図書館で手に取った1冊。著者の森田さんは数学者らしい。数のない世界から数のある世界へ。森田さんの長男と次男の5年間の成長を垣間見ることができる。数学者だからこその視点、プロセスを知れたような気がする。わたしの息子は2歳だけど、まだ喋らない。それでも数字だけはずっと好きみたいで、よく反応する。息子が今後どのように数と触れ合っていくのか、とても楽しみになった。とりあえず、森田さんが翻訳した「センス・オブ・ワンダー」でも読もうか。そして、この本は手元に置いておきたい。2025/06/29
うさぎ
4
幼い息子さんたちの五年間を、「科学の目」をとおして見つめて描いたエッセイ。一つ一つの瞬間を大切にし、そこに深い意味を見出し、あたたかな文章で綴られている。子どもたちが育っていくってこんなに驚きと喜びに満ちているんだ。とてもよかった。2025/05/26
ジュースの素
3
素晴らしい本だった。イラストも良し! 「母の友」に連載したものを集めた本。2人の子供を見る目がいいなぁ。こんなお父さんばかりならどんなに良いか。一度通り過ぎて大人になったからこそあの頃の感性が見えてくる。何度も読みたい良本。2025/05/25
ササーキー
2
素朴な日常が、数字を介してとても意味深いものに感じられた。表現力も素晴らしい。2025/05/19
ふじひよ。
1
図書館本。大好きな西淑さんの絵に惹かれて。数学者さんの子育てエッセイ。本文もよかった… 『自分の信念の仮説性を自覚し、いつでも自分は間違っているもしれないと、意識し続けること。「絶対にこうだ」という信念にしがみつくのではなく、「もしかしたらそうではないかもしれない」と、別の可能性に開かれていること。当惑や驚きを恐れないことこそ、科学的な態度ではないか。』46頁。2025/06/07