出版社内容情報
動物たちはすごい。たくましい歯をもつライオン、いくつもの胃をもつウシ、毒のある葉を消化できるコアラ…それぞれの食べものを効率よく食べられるように動物は進化してきました。どれも人間にはまねできないことです。ではどうやって人間は食べるのでしょう?そうです。料理をするのです。料理をして、そのままでは食べられないものも、食べられるようにするのです。料理をすることについていっしょに考えてみませんか?
内容説明
動物たちはすごい。たくましい歯をもつライオン、いくつもの胃をもつウシ、毒のある葉を食べられるコアラ。人間は?どれも、人間にはまねできません。でも人間は、料理をします。料理をして、そのままでは食べられないものも、食べられるようにするのです。
著者等紹介
森枝卓士[モリエダタカシ]
1955年、熊本県に生まれる。高校の頃、アメリカ人写真家ユージン・スミスと出会い、写真家を志す。国際基督教大学で文化人類学を学び、以後、アジアをはじめ、世界各地を歩き、写真、文章を新聞、雑誌に発表。大正大学客員教授。早稲田大学などでも食文化を講じる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
40
動物とヒトを比べつつ、強い牙も進化した胃もない人が調理という技術を使っていかに繁栄して来たか、をわかりやすく説明している本です。森枝さんだから書ける内容だなあ!世界各地の巧みな調理方法を見ながら、これだけ広範囲で繫栄している人という生き物のユニークさに感動しました。最後の「いっしょに食べる」のメッセージが好きです。このテーマで一冊書いてほしいぐらい!2024/08/18
chiaki
32
動物と人間の"食"で決定的に違うのが食材を育てるという行為、買ってくるという行為、そして料理をするという行為。ここでは世界の料理に触れながらさまざまな道具を巧みに操り調理する、人間の食文化の豊かさをうかがい知る。切ったり擦ったり潰したり挽いたり…煮たり焼いたり茹でたり燻したり揚げたり干したり蒸したり…発酵という敢えて腐らせる調理法がとりわけスゴいなぁと今更ながら感激。「いっしょに食べる」ことに触れる最後も良き!『食べもの記』はじめ、森枝さんの写真はエネルギッシュで元気が出ます!2024/11/03
ちえ
31
オランウータン、ライオン、パンダ、コアラそれぞれが食べ物を食べている写真。「○○を食べる体」というところから、多種多様なものを食べられるようにする人間の工夫。料理器具、方法、菌(発酵)。世界あちこちの料理の写真にワクワクする、そして「一緒に食べる」こと。笑顔笑顔の写真が素敵だ😄2024/04/27
遠い日
5
森枝卓士さんの一連のシリーズ。ただ生き延びるためだけに人間は食べているのではない。火を使い、味をつけ、家族や友人、みんなで食べる。地域・国によってその方法は違うし、その伝播やつながりもできる。食は文化。料理は立派な文化的行為なのです。2024/05/15
奏
4
ライオンは肉を骨ごとバリバリと食べるし、牛はかたい牧草をムシャムシャと食べてしまう。人間にはとても無理だ。けれど人間はいろんな工夫をして、料理し美味しく食べることができる。蒸したり、焼いたり、挽いたり、おろしたり。日本だけでなく世界各国料理方法や料理の写真があり、人間の食文化の豊かさがわかる。そして、人間にとって食べることは、大切な人と繋がることでもある。食べることは生きることそのもの。良書!2024/07/19