出版社内容情報
女の子が家の中で見つけたクモ。何回も会うので、女の子はクモを「もいち」と名付けました。すると、こわかったクモが気になる存在になっていきます。雨の日には「おひるねしてるのかな」、晴れた日には「もいちも はな すきかな」。近くに来たら叫んでしまうけれど、でも、じっとしているもいちは「かわいい」と女の子は思うようになります。苦手な生き物に少しずつ心を寄せていく幼い子の気持ちを、見事に描いた作品です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
anne@灯れ松明の火
19
新着棚で。蜘蛛は益虫だから殺してはいけない。私も聞いたことがあるなあ。家の中で、蜘蛛を見つけた女の子。あちこちで会うようになり、「もいち」という名前まで付けてしまう。苦手だった蜘蛛がだんだん気になる存在になっていくのが、おもしろい。こしださんって、話も絵も、ちょっと変わっていて、おもしろい。2024/03/26
遠い日
9
始めは苦手で怖いとさえ思っていたクモ。家の中のどこかにいて、不意に出会うとどきりとする。今は大きなクモはあまり見かけなくなったけれど、わたしが子どもの頃はど田舎だったせいもあって、大きな大きなジョロウグモなどどこにでもいた。怖かったけれど、クモは飛びかかって来ないのでじっと見たものだ。クモでもものでも、もう名前をつけたら自分の中に取り込んだのと同じ。もいちと名付けたクモ、じっとすることを見てしまうね。お部屋の設えが昭和で、懐かしいです。2024/03/26
けいねこ
5
こどものとも年少版のハードカバー化。初めは怖がっていたくもを観察するうちに親しみがわいてきて、名前もつけて。名前をつけたことで、もいちはただのくもから特別なくもになった。もいちのおかげでほかのくもも前より怖くなくなったっていう言い方は、もいちはほかのくもとは違うと思っているってことだものね。もいちとほかのくもがどう違うのかも、考えてみてくれるといいな。2024/04/15
mntmt
3
もいち、良い名前だね。2024/04/12