出版社内容情報
松居直[マツイタダシ]
著・文・その他
安野光雅[アンノミツマサ]
イラスト
内容説明
ぐりとぐら、だるまちゃん、おおきなかぶ…。数々の人気作品を生んだ月刊絵本「こどものとも」初代編集長松居直の自伝。
目次
幼少のころ
少年のころ
中学時代
戦争の時代
終戦と大学入学
卒業、金沢へ
就職から「母の友」創刊まで
「岩波の子どもの本」に出合う
「こどものとも」創刊号
新しい児童文学へ
作家との出会い
石井桃子さんに会う
瀬田貞二さんと木島始さん
「いすみ会」
加古里子さん
加古里子さんと遊び
瀬川康男さんの芸と術
ベッティーナ・ヒューリマンさん
ブルーナの絵本
出版文化の危機
本のことば
ことばを育てる
著者等紹介
松居直[マツイタダシ]
1926年、京都に生まれる。同志社大学卒業とともに金沢の福音館書店に入社。絵本の出版・編集に従事し、1956年に「こどものとも」を創刊。多くの絵本作家を発掘し、世界に日本の絵本を広めた。1969年、1979年世界絵本原画展BIB国際審査委員。1981年にはスロヴァキア共和国文化省から「BIB特別功労賞」を贈られた。東京都在住
安野光雅[アンノミツマサ]
1926年、津和野に生まれる。『ABCの本』、『昔咄きりがみ桃太郎』で芸術選奨文部大臣新人賞。他に、国際アンデルセン賞、菊池寛賞をはじめ、国内外の数多くの賞を受賞。2020年、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モリー
76
松居直さんのお陰だったのだ。この本を読んでそう思った。私が幼い子供の時分から積み重ねてきた絵本との幸福な時間が、松居直さんが世に送り出した数々の絵本の存在抜きには語れないことを知ったからだ。絵本をよく読む方もそうでない方も「こどものとも」のシリーズを知らない方はいないのではないだろうか。この絵本シリーズを企画をした人物こそが松居直さんだったのだ。そして、加古里子さんをはじめ、寺村輝夫さん、堀内誠一さん、その他どれ程多くの素晴らしい作家と日本中の子供たちを結びつけてくれたことか。感謝の気持ちでいっぱいだ。2022/12/24
seacalf
45
自分の幼年期も親しみ、そして子育て真っ最中の今も当たり前のようにお世話になっている福音館書店。その創始者のひとり、松井直さん。読むと心が伸びやかなお人柄が伝わってくる。平和の尊さを身を持って知る松井さんが、子供の未来の為に絵本を作る。その創成期のお話の数々は非常に面白い。「親に絵本を読んでもらう、その時間と空間自体が最高のものだ」「読むのも勝手、聞くのも勝手」、言葉の数々に肩肘張らずに我が子とのコミュニケーションを楽しみなさいと背中を押して貰えたような気がした。これからもどんどん読み聞かせをしていきたい。2025/04/13
羽
24
福音館書店の創立から一貫して、編集者として子どもの本を作られてきた松居直さんの自伝。絵やことばにかける情熱や子どもたちへ伝えたい思いに胸を打たれ、「絵本といえば福音館書店」と言われるのが腑に落ちました。わたしは自分がそれほど多くの絵本を読みきかせしてもらわなかった代わりに、いま自分の子どもにたくさん読み聞かせをしています。その中でもやはり福音館の絵本は別格です。本書は装画に銀箔がはってあり、キラキラ光ります。安野光雅さんの挿絵もすてきで、ずっと手元に置いておきたい一冊になりました。2024/08/12
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
22
絵本の勉強をしていると必ずと言っていいほど松居直さんの言葉をお聞きします。絵本講師の勉強中、ご講義はご高齢のためDVDでしたが、おっしゃっていることは深く伝わってきました。「生きて帰りし物語」、松居直さんが教えてくださった言葉を胸に、質の良い絵本を1冊でも多く届けていきたいです。ご冥福をお祈り申し上げます。2023/01/04
さく
18
とても良かったです。松居直さんの子どもの絵本作りに対する熱い思いが伝わってきます。安野光雅さんの挿絵は温かく、装丁には光り輝く雪が降っていて美しく、手元に置いておきたくなります。先日、松居直さんの講義をDVDで受講しました。その中でおっしゃっていたエピソードもいくつかあり、あらためて、偉大な人だったのだなぁ、と思います。我が家の子育てに、福音館書店の絵本は不可欠です。松居直さん、ありがとうございます!2025/01/24