出版社内容情報
僕の家の床下にはワニがいる。僕は夜になると大きな歯ブラシを持って、ワニの歯磨きをしに降りてゆく。床下のワニは巨大で、大きく開けた口はまるで洞窟のよう。奥歯を磨くときはワニの口の中に入らないといけないけれど、危なくなっても七つ道具があるから大丈夫。詩人・作家のねじめ正一さんによる、ちょっとスリリングで不思議な世界を、漫画家・イラストレーターのコマツシンヤさんが緻密かつ遊び心溢れる絵で描きました。
著者等紹介
ねじめ正一[ネジメショウイチ]
1948年、東京都生まれ。詩集『ふ』(櫓人出版会)でH氏賞、小説『高円寺純情商店街』(新潮社)で直木賞、『荒地の恋』で中央公論文芸賞を受賞
コマツシンヤ[コマツシンヤ]
1982年、高知県生まれ。マンガ作品に『睡沌氣候』(青林工藝舎)『8月のソーダ水』(太田出版)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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yomineko@ヴィタリにゃん
71
僕は床下にいるワニの歯磨きをしているとしれっと言われても(笑)いた!床下に大きくて凶暴そうなワニ🐊嚙まれないように口につっかえ棒をしてせっせと磨く。喉の奥の方まで行って最後出る時には秘密兵器があります(笑)2023/08/25
seacalf
61
絵の雰囲気が大好き。居心地良さそうなぼくの家の床下には巨大なワニが住んでいて、夜になるとワニの歯磨きをしてあげるというお話。腰にさげた七つ道具を駆使して大きな口の中で大活躍。食べられないように布団バサミでワニの舌をぐるぐる巻きにしたりとアイディアが面白い。細かい絵のかき込みも楽しいと思ったら『8月のソーダ水』のコマツシンヤさんだったのね。ずっと気になっていたけれど、やっぱり読んでみたいな。2022/12/07
とよぽん
60
ねじめ正一さん、ストーリーが面白い。というか、この状況設定がシュールで引き込まれる。そして、コマツシンヤさんの絵が楽しい。ブルーやグリーン系の色をベースに、男の子の黄色の服とワニの口の中のピンク系の色の対照も素敵。読み聞かせに良さそう。2022/07/09
NAO
53
ぼくの家の床下にワニがいる。 それだけでもシュールでスリリングな設定なのに、なんと、ぼくは、まいばんゆかしたにおりていって、ワニのはみがきをしてあげるのだ。歯みがきが大事なのは分かっているがぼくを食べたくなるワニとそれをかわしながら歯みがきを続けるぼくの間合いがなんともいえないスリリングな歯みがき絵本。ちょっとこわいけど、歯みがきの大切さもよくわかる。子どもも大人も楽しい絵本です。 2022/10/03
booklight
48
床下にワニがいる、というシュールな設定と、それの歯を磨きにいかなければいけない、という主人公の興味に基づかない設定が、よりスムーズに感情移入させている気がする。絵もコミカルに大真面目に描いて、それもまたいい。心のどこかにある楽しみを形にしてもらったような絵本でした。2023/12/23
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