感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Major
44
疎外はドイツ語ではEntfremdungであり、外化Entäusserrungが語源である。外化とは究極他者を手段化して自己目的を達成することである。すべての生物は自己保存のために外化する存在である。しかし、それは同時に他者から疎外を受ける存在でもありうる。この自然界の宿命を透徹したリアリズムをもって動植物の視点で、生き生きとした物語に仕立てた。自然は元来よそよそしい。だが人間は自己の目的のために他者(同類種を含め自然の事物も)と疑似的に親しくする手段を覚えた。そんな負の人類史をふと考えさせてくれた。2025/02/16
うー(今年も遅くなります)
23
バンビといえばアニメの可愛らしい子ジカのイメージだけしかなかったが『森に生きる』のタイトル通り、森での動物たちの暮らし、生きる意味、自然など存分に堪能することができた。「アイツ(人間)」が本当に嫌な奴に思え、しずかにバンビを導く古老に胸が震える。2021/05/01
コニコ@共楽
19
一般的に知られているお話と原作の趣が違うものが童話の世界に多いことに気が付かされます。『ガリヴァー旅行記』しかり、『アルプスの少女ハイジ』然りです。2月の拙読書会ではディズニー映画の印象が強い『バンビ』を取り上げてみました。原作はハンガリー出身のオーストリアで確約したユダヤ人作家のもの。副題に「森に生きる」とあるだけに自然描写の豊かさに驚かされます。厳しい野生の生存の様子が生き生きと伝わって来て、生きとし生けるものの在り方や、アイツと表現される人間が全能でないことなど訴えるものがありました。2025/01/18
かもめ通信
16
祝 #福音館70周年 実は初読み。耳を澄ますとページの間から聞こえてきそうな、鳥のさえずり、木々のざわめき、動物たちの足音。読む前に想像していたような“かわいい”話では全くなく、森に生きる動物たちの営みが、その厳しさも含めて、いきいきとでも大まじめに描かれた物語でした。2022/03/10
マカロニ マカロン
15
個人の感想です:B。『バンビ』は映画で観たきり、本は読んだことはなかったが、読書会のために読んだ。「ノロジカ」ってどんな鹿だと思ってググったら、映画の鹿とは大分違う。ディズニーの身体に鹿の子模様のある子鹿は北米に棲む「オジロジカ」のようだ。こっちの方が見た目いかにも子鹿でカワイイ。原作の子鹿は「アイツ」の3本目の「悪い手」に脅かされるが、映画では一切ヒトの姿は登場せず、ファリーンが猟犬たちに追われるシーンだけ。映画未収録の2枚の葉っぱのシーンがとても良いが、流れを損なうため映画では不採用となったとのこと2025/01/28
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