内容説明
くじけずに、生きる。「大事なことは生きてるってことだ。どうしたって今夜、ぼくは家にもどるぞ」オーストラリアの実力派児童文学作家による、若い人たちへのあたたかいはげましに満ちた物語。オーストラリアで最も権威ある児童図書賞に輝いた名作!
著者等紹介
ふなとよし子[フナトヨシコ]
岩手県に生まれる。日本女子大学家政学部児童学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やま
82
オオカミが来た朝 (世界傑作童話シリーズ) 2019.09発行。 皆様のレビューを見て、予約します。 28ページまで読んで止めます。 途中で本を読むのを止めるのは、久しぶりです。しかしこの本は、読んでいると胸が痛くなります。2019/10/26
paf ❤︎
27
四世代に渡って視点を移していく短編集。全て、児童書らしく決着をつけず、さらりとゆだねて終わるので、余韻に浸れて読後感がよい。貧しい時代の、子どもの置かれた境遇や、きょうだい間が怒りをぶつけ合うシーン等々にしんみり。読んでしまうのがもったいなかった。とりわけ一話目が際立っている。この作家さん、他の作品も是非読みたい。2019/12/02
かもめ通信
19
オーストラリアを舞台に、1935年から2002年まで、巻頭表題作のケニーから彼のひ孫までの4世代。多感な子どもたちを取り巻く、貧困、老い、移民、識字障害、戦争、両親の不仲…。自分たちの力ではどうすることもできないあれこれの中にあって、それでも自らを励ましながら進んでいく子どもたちの姿を描いた、連作YA小説。リアルで切なくて、一見はかなげででもたくましい。静かなではあるけれど、胸が熱くなり、目が潤む、そんな物語。2022/05/12
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
7
オーストラリアを舞台にした4世代に渡る短編集。子どもの視点をベースに貧困や戦争などを背景にし、兄弟(年上の者が年下を思いやっている)の姿が美しい。『 メイおばさん / 字の読めない少女 / 想い出のディルクシャ / 冬のイチジク / チョコレート・アイシング 』 【身近なだれかによりそうー家族のかたち】2025/01/28
ぽけっとももんが
7
四世代にわたる一族の物語。貧困、認知症、失読症、難民、揚げていくと気が滅入るようなテーマの短編が続く。けれども希望が見えるのは必死で生きると決意して自転車を漕ぐケニー少年がいるからだろう。答えの出るようなことではないけれども、ちょっと考えてみることはとても大切だ。2019/12/15