出版社内容情報
生きものの言葉がわかるようになった羊飼いが、その力をつかって活躍して、やがて国の半分をもらって王さまになるまでのお話です。貧しい羊飼いが、草原で出会ったうさぎに自分の食べ物をわけてあげました。それを100日続けたとき、うさぎは老人に変わり、老人は羊飼いに動物の言葉がわかる力を授けてくれます。羊飼いはその力で、王さまの家来の馬を助けて、宮殿に連れて行かれます。そこで王子の耳の病気を治すよう求められた羊飼いが困っていると、２羽のカラスが、王子の病気の治し方を話しているのを耳にします。そのとおりにして王子の病気を治した羊飼いは、お礼に国の半分をもらって王さまになりました。
松瀬七織［マツセナナオ］
著・文・その他
イヨンギョン［イヨンギョン］
イラスト
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のっち♬
131
助けた天の神に動物の言葉がわかるようにしてもらった羊飼いの男の子が、王子の耳の病気に挑むことに。動物を助ける毎に運命が変転する話であり、とんとん拍子な進行よりも、悪魔の呪いで言葉が話せない兎姿の天の神に100日続けて食べ物を恵む冒頭のくだりこそ主人公の博愛の一貫性を最もよく象徴していると思う。勝手に話を進めて彼をうんざりさせる自己中心的な王様や家来との対比は大陸の民話らしい紋切型なので尚更。現地人による監修付きの素朴なタッチの作画は世界観によく順応している。それぞれ色が異なる蜘蛛の子達も愛情あるデザイン。2023/06/29
♪みどりpiyopiyo♪
51
むかし、ある地主の家に 羊飼いの 男の子がいました。一年じゅう、てってもふっても 来る日も来る日も 羊を 草原へ 追っていって、草を 食べさせていました。■表紙の少年のアンニュイな表情に惹かれて手に取りました。チベットの昔話なんですって。中国の民間伝承を研究する松瀬七織さんによる再話。絵は、チベットが大好きな韓国人のイ ヨンギョンさん。貧しい少年が、小さき者に親切をして、欲の無さから大きな幸運を掴むお話は、世界各地にありますね。このお話も、昔話らしい楽しいお話でした ( ' ᵕ ' ) （2018年）2018/10/24
たまきら
25
とてもやさしい羊飼いの少年がしあわせをつかむお話です。絵も暖かくて、素敵。…羊を食べるのも好きな自分には胸の痛むシーンもあったけど。2020/09/21
ふじ
21
息子が手に取らなかったシリーズ2冊目。海外の昔話はどうしても身近な話題じゃないから母から動機付けする必要があるかも。貧しい羊飼いが困っていたウサギを救ったら、１つ願いを叶えてもらえることになり…これは面白かった。読み聞かせにもいい。2019/11/13
ヒラP＠ehon.gohon
18
ききみみ頭巾にも似た展開ですが、王子さまの耳の病気は世にも不思議な原因でした。 治し方を教えてくれたカラスには感謝しなければいけないですね。 これだけの幸運にはなかなか巡り会うことは無さそうですが、動物にはやさしくしていると良いですね。2018/05/07
