出版社内容情報
ふたりの少年が、学校でのいじめや家族問題など困難な現実に揺れ動きながら、それぞれ自分らしさを取り戻していく物語。11歳の少年キーランは両親と妹の4人暮らし。オーストラリアのさびれた田舎町に住んでいる。ある日現れたいとこのボンは、見た目も中身も変わっているため、学校でいじめに遭ってしまう。仲間はずれになりたくないキーランも、いじめグループから抜けられない。ただひとりボンをかばうジュリアも、複雑な親子問題を抱えていた。様々な困難な現実に直面し揺れ動く子どもたちと、それを見守り手を貸そうとする大人たちを温かく描く。
サイモン・フレンチ[サイモンフレンチ]
著・文・その他
野の水生[ノノミオ]
翻訳
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みーさん
8
一気読み。キーランのところに突然現れたいとこも母さんのお姉さんである伯母さんも自分たちとまるで違ってた。2年後ボンは再び転校生として現れる。一緒に転向してきたジュリアはとても素敵な子。キーランはどうしてもボンに優しくなれない。「穴」の幸田敦子さんが野の水生名で翻訳。2018/08/17
いちごプリン
7
読了しました。 今や日本でも増えてきている、毒親たち。この外国の家族たちは、そんな毒親から子どもたちを守ることを選ぶ。 日本はどうなんだろう。自分の親戚にご飯も食べれない子どもたちがいたら、どうするんだろう。 いじめにもすぐに対応してくれる学校の先生たち。 そして、初めはいじめていた人を今では大切な友達として守っている。 あぁ、そういうふうに友達になれたら、いいだろうなと。 とても面白かったです2022/04/19
菱沼
3
この本の前に読んだ、いとうみく作「チキン!」の転校生と、この物語の転校生ジュリアが重なる。おもしろくなくはないけれど、なんとなく不消化な後味の物語。「あなたのいとこなのよ」で好意を強要されるキーランの気持がわかる反面、それでいじめが許されるはずもない。妙に大人びたジュリアの言葉は、作者が顔を出しているようで落ち着かない。どこにあるかわからなくなった紫色の自転車の顛末も、これが必要だったのかどうか。訳中の地の文に「……だからね」という終わり方が多いのも気になる。2018/05/16
まめもやし3
2
おしっこ臭くてヘンテコな髪形のいとこ。嫌悪感と羞恥心が愛情と信頼に変わるまで。キーランの心の成長はよかった。ジュリアって、自分の問題は、大人に言えなかったのかな? 2018/10/13
pasta
2
幼い頃おもちゃをこっそり盗られた。そんな従兄弟が同じ学校に転校してきた。ネグレクトで薄汚れ、クラスでいじめられる従兄弟。しかし親は仲良くしろと強要してくる。更に、気になってる女の子が従兄弟と仲良くなって、果敢にいじめからかばおうとしている。もう主人公が、やきもきイライラしている様が面白くて(笑) そら、嫌だろ〜正直、分かるよ! でも、いじめも見てて楽しくないよな、でも止めるの怖いよな、分かるよ〜。いや〜、面白かったです!2018/06/09