出版社内容情報
1945年、若い女性が物語を書き始めます。それが『エルマーのぼうけん』でした。インタビューで、エルマーの秘密をききます。
目次
第1部 『エルマーのぼうけん』が生まれるまで(むかしむかし…ちいさなルーシー;ルーシー 学校へ行く;ルーシー ハイスクールへ行く;ルーシー 大学へ行く;エルマーの物語のたんじょう;『エルマーのぼうけん』本になる)
第2部 イサカの町で―今のガネットさん
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
87
物語や文字への幼い頃からの親しみと創作。時勢を鑑みると、先進的な環境と交流が、著者の根幹となる過程。故に研究所での挫折もある意味自然ではあるが、その後の半生には必然の転機だったのかもしれない。ポイント、ポイントで触れるエルマーの”裏話”も期待通り。お気に入りは、「ガム」の件。可愛い思いが、込められているなぁ。但し、二巻目のタイトルが変更された理由は、永遠に謎のようだ。作家になりたくなかった?!自宅の納屋に作った「こびと村」も、その解答の1つだと思う。2021/03/04
はる
77
「エルマーのぼうけん」は、私が小さい頃にはじめて自分で買った本なので、とても思い入れがあります。先生の読み聞かせがあまりに面白くて、我慢できず本屋に駆け込みました。それから何度読み返したことか…。そのエルマーの作者についてはほとんど知らなかったので、こんなチャーミングなおばあちゃんだと分かって嬉しいです。高齢ながら今も御健在なのもさらに嬉しいです。2016/01/25
ぶんこ
56
残念ながら「エルマーのぼうけん」を読んだ事がないのです。読メさんの素敵な感想を拝見して読んでみました。7人の娘さんを育てられた肝っ玉母さんでもあったルーシー。小学校の教育方針が素晴らしくて感嘆しました。子供達に考えさせる、お店やさんを運営させて、仕入れから販売、入出金の管理までさせる事で体で覚える様々な事。素晴らしい!育ってきた環境がルーシーをつくり、この本を生んだのだと思うと感慨無量になりました。ルーシーの物語に夫のピーターのカリグラフィー、父の再婚相手の挿絵。家族で考えて創り上げた本だったのですね。2016/02/09
Ikutan
52
『エルマーのぼうけん』は子どもの頃に夢中で読んだ大好きな作品。この本は、90歳になる作者に筆者がインタビューし、児童書として読みやすくまとめたもの。まず、彼女が受けた考える力をつける独特な教育方針が素晴らしい。自由な発想を大事にする周りの大人の対応もいいですね。『エルマーのぼうけん』の原点はガネットさんの奇想天外で豊かな発想と、血の繋がらない家族も大切にする優しさの中にあるのでしょう。それにしても雪道を運転までしちゃうなんて凄い。物事を前向きに捉え、ユーモア溢れる、とてもチャーミングなおばあちゃんでした。2016/03/18
emi
46
私が初めて外国の作家の本を読んだのは、「エルマーのぼうけん」でした。実は親が私の読みたかった本ではなくこちらとすりかえて!注文したという本なのですが、読み出すと面白くて、あの優しい少年とりゅうの物語の世界が大好きになっていました。そんな物語を書いたガネットさんは、私の想像よりずっと好奇心旺盛でパワフルな女性でした。小さな頃に一緒に生活していたルシールさんの影響、怒らない両親、エルマーがたくさん持っていたガム、カナリア島が出てきた理由、そしてあの挿絵や出版に至るまでの家族の話…全部があの話を作ったんですね。2016/02/20