福音館文庫
犬のバルボッシュ―パスカレ少年の物語

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  • サイズ B40判/ページ数 357p/高さ 17cm
  • 商品コード 9784834080377
  • NDC分類 K953
  • Cコード C8297

内容説明

ハサミとつくろい用の糸、パンとチーズ、それから『夢の鍵』の本も持って、マルチーヌ伯母さんとパスカレは旅に出た。馬車にゆられ、野宿をしながら、二人は伯母さんの故郷へと向かう。影のようにつきしたがい二人を助ける愛犬バルボッシュ。夢のような旅路のはてに二人が目にしたものは…。小学校上級以上。

著者等紹介

ボスコ,アンリ[ボスコ,アンリ] [Bosco,Henri]
1888年、南フランスのアヴィニョンに生まれる。幼少年時代を郊外の田園地帯で過ごした。グルノーブルとフィレンツェ大学で学んだ後、アルジェリア、イタリア、モロッコなどの高等中学校で33年間の教員生活を送り、晩年は南仏にもどった。この間、多数の小説を発表し、南仏の自然や風土を鮮やかに描き、象徴性にみちた幻想物語世界をつむぎ出した。1976年歿

天沢退二郎[アマザワタイジロウ]
1936年東京生まれ。東京大学仏文科卒。詩人、評論家、宮沢賢治研究家、作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

NAO

49
パスカレ少年シリーズの第3作は、『ズボンをはいたロバ』のピエルーレ(ペイルーレ)村が舞台。マルチーヌ伯母さんとパスカレが一夏をすごしに向かったのは、伯母さんの故郷であるあのピエルーレ村。廃線になった駅から二人を導くロバ、村外れを行き過ぎる旅のジプシー。『ズボンをはいたロバ』の後日譚といったこの作品は、『ズボンをはいたロバ』以上に幻想的で、白昼夢のような物語だ。2022/06/07

Gotoran

40
パスカレ少年とマルチーヌ伯母さんが伯母さんの故郷ピエルーレ村へと旅をする物語。馬車と汽車の旅のはずだったが鉄道の廃線で、途中から野宿をしながらの徒歩旅行になってしまう。影のように付き従う『犬のバルボッシュ』と未知の世界へと誘う謎のロバ。森の洞窟や谷間での野宿、不穏な納屋での一夜・・・現実と夢の往来、幻想的ながらも不穏な出来事や心温まる人々との交流、少年と伯母の微笑ましい関係と心の揺れ動き、等々が描かれる。純文学の手法で描かれた神秘主義的雰囲気のある作品だった。河合著『ファンタジーを読む』繋がり、第8弾。2020/01/26

ほとり

2
パスカレ少年の一人称で、伯母マルチーヌの故郷への旅が語られる。南仏の生き生きとした風景の写実描写と、緻密な心理描写が濃密に溶けあった、美しい文章。少年と叔母、そしてバルボッシュの道中に、手に汗握る派手な展開はない。しかし、周りのありふれた出来事も、人それぞれに違う意味があり、時に他人には知る由もない重大な奇跡や啓示を見せてくれることを、この旅は教えてくれる。タイトルにある犬のバルボッシュは、道中の守り神のような存在になっており、後半はほとんど印象にない。これはどう解釈すればいいのか、今もよくわからない。2014/09/02

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