内容説明
峠の茂平茶屋あたりでは、動物が人を訪ねてくるし、どうやら人間も動物の集まりに入っていけるようです。“山の住人”たちのふしぎな交流が、うまそうな食べものとともに、美しくつづられる、作者が「ほんとうにほんとうに楽しく」書いたと述懐した、新美南吉児童文学賞受賞の連作童話集。小学校中級以上。
著者等紹介
安房直子[アワナオコ]
1943年東京生れ。日本女子大学国文学科卒業。大学在学中より山室静氏に師事する。70年「さんしょっ子」で日本児童文学者協会新人賞、73年『風と木の歌』で小学館文学賞、82年『遠い野ばらの村』で野間児童文芸賞、85年『風のローラースケート』で新美南吉児童文学賞、91年『花豆の煮えるまで』でひろすけ童話賞をそれぞれ受賞。93年逝去
小沢良吉[オザワリョウキチ]
1928年東京生れ。日本大学藝術学部中退後、通産省工業技術院産業工芸試験所に技官として勤める。退職後、藤田嗣治に私淑しパリに学ぶ。64年から数年間、京王百貨店や旧東京ヒルトンホテル、逓信総合博物館などの壁画を制作。69年より多年、銀座三越で「小沢良吉豆絵展」開催、70年ごろより児童書の仕事をはじめた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぶんこ
27
人と動物が共存していて、こんな峠があったら面白そうですね。 何だか、持ちつ持たれつの、のんびりした里山の生活に憧れてしまいます。 桜の季節の「さくら屋」さんの話も素敵でした。 ピンクのフレアースカートをはいて、オシャレする茶屋のお母さんが可愛い。 小さな子がいたら、毎日ルンルンとお話の世界で遊べそうです。2014/10/19
はる
26
山の峠に住む人達と、動物たちとのふれあいを描いた連作童話。動物たちとごく自然に会話するこの世界観、好きだなぁ。美味しそうな食べ物がたくさん出てくるのもいい。動物たちから食事に招待されるなんて、小さい頃良く想像したもんだ。安房さんの童話はやっぱり好みだ。2013/09/13
花林糖
16
(図書館本)峠にある茂平茶屋の茂平さん一家と山の動物達との、ほんわか不思議な物語。短編8話。こんな茶屋があったら是非にも行きたい。「風のローラースケート」「ふろふき大根のゆうべ」「花びらづくし」がお気に入り。2017/01/01
さっちゃん
13
峠の茂平茶屋にはいろんな動物がやってくるし、茂平も奥さんも動物たちに呼ばれて出かけていく。その交流のひとつずつが少し変だったり、不思議だったりちょっとずるしたり滑稽だけれど何故かほわんとほっこりしてにっこりしてしまう。安房さんのお話の中に必ずでてくる美味しそうなお料理もいい。2015/07/19
あんみつ
10
声に出して読んで1番心地よいのが安房直子さんの作品。もっと読んでとせがまれるまでもなく、いつまでも読んでいたいと思ってしまう。とにかく豊か。ごく自然な言葉づかいなのにどうしてこんなに引き込まれ魅了されるのか不思議。町から山にやってきて茶店を開いた茂平夫妻の周りで起きる出来事を描いたバラエティーに富む連作短編。スピード感とユーモア溢れる表題作から背筋の凍るような話まで。巻末には安房さんの「ファンとして」やなせたかしさんの言葉が。2014/01/10