内容説明
ゆきのうえは、しんとしずまりかえって、まっしろ。でもゆきのしたには、まったくべつの、ひみつのせかいがあって、リスやウサギ、クマやウシガエルや、いろんないきものたちが、さむさやきけんから、みをまもりながら、くらしている。5才から。
著者等紹介
メスナー,ケイト[メスナー,ケイト] [Messner,Kate]
ミドルスクール(11歳から14歳まで)の教師として教壇にたつかたわら、児童文学、絵本作家としても活躍。家族とともにニューヨークの北にあるシャンプレーン湖畔に暮らしている
ニール,クリストファー・サイラス[ニール,クリストファーサイラス] [Neal,Christopher Silas]
イラストレーターとして、さまざまな雑誌や書籍、テレビなどで活躍。ニューヨークタイムズ紙で定期的に仕事を手がけ、作品は全米各地のギャラリーで紹介されている。自宅兼仕事場をブルックリンに持ち、私立美術大学プラット・インスティテュートでイラストを教えている
小梨直[コナシナオ]
翻訳家。東京生まれ。2000年より長野県在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
308
文のケイト・メスナーも絵のクリストファー・サイラス・ニールもともにアメリカで、それぞれの分野で活躍。メスナーはミドル・スクールの教師でもあり、このお話にもそのことが顕著に見られる。冬の「積雪下空間」の興味深さを伝えるのが本書の第一の眼目である。直接は目に見えないところにも別の世界が存在することを知ること、また想像してみることは、確かに大いに教育的だ。絵もシンプルさがよく機能している。同時にクロスカントリー・スキーの楽しみも伝わってくる。よく見ると、シンプルながら表現もなかなかに微細だ。2024/02/07
やすらぎ
200
雪はすごく冷たいのに、なんで雪の下はこんなに暖かいのだろう。雪の上がどんなに吹雪いていても、荒れ狂っていても、ここは平穏。木の皮や落ち葉がたくさんあって、お互いを温めあっているから。空が晴れると、一面の銀世界にいろんな足あとがついている。小さな生きものは出たり入ったりしているんだね。リスやキツネは元気いっぱいだね。真っ白な冬毛のうさぎが何処にいるかわかるかな。私たちは温かなココアやマシュマロを食べられるけど、みんな何を食べているのかな。冬の森には不思議がいっぱい。みんな、ゆきのしたで春を待っているんだよ。2024/01/01
匠
109
真っ白に覆われた雪景色は静まり返っていて、何もないようでも雪の下では秘密の世界が広がっている。一日の出来事を雪の上と雪の下で対比させながら描いていくのが楽しい。また、動物なども普段の生態そのままのようなリアルな描き方をしているのが好感持てる。なぜなら、4歳以上になるとちらほら「人間みたいに2本足で立って歩くのは変」とか「本当のリスはこんなじゃない」など言い出す子が出てくるので、図鑑的な要素も含みつつのこういう絵本はもっと増えたらいいと思う。なお、巻末には雪の下で生息している生き物達の一覧が掲載されている。2014/01/25
かりさ
81
夜中降り続けた雪が今朝もこもこと積もってました。雪の日の澄んだ空気、しんと静かな時間、まっしろな世界。ざくざくと踏みしめる雪の音。さて、雪のしたの世界はどうなっているでしょうか。そこでは小さな生き物たちがかくれんぼ。えさを食べたり眠ったり。雪のうえでも生き物たちが冬の暮らしをしています。絵本はニューヨーク北にあるシャンプレーン湖畔で暮らす作者の実体験のようなお話。冬の森を楽しく美しい色彩で描いています。雪のしたのひみつの世界…サブニヴィーン・ゾーン。巻末の登場した生き物たちの紹介もとっても可愛い。2017/02/10
モリー
68
先日、落ち葉の舞う山の小道を歩きながら想像しました。足元に積もった落ち葉が小さな蝶や虫たちの冬の間の寝床になるのだろうと。そして、その小さな生き物たちはどんな夢を見ながら冬を超すのだろうかと。この先、本格的に雪が降り出します。動物たちは、どこでどのように生き抜いていくのでしょうか。この絵本はそんな疑問に答えてくれました。言葉では書かれていませんが、絵を見ていると、命と命は繋がりあって生きていることが良く分かります。メルヘンチックなラストは私好みでした。科学とイマジネーションもどこかで繋がっているような。2023/12/04