内容説明
ペフリング一家は、陽気な音楽教師の父親と思慮深くやさしい母親、そして個性豊かな七人の子どもたちの大家族。にぎやかな一家の暮らしにさまざまな騒ぎがもちあがりますが、何があっても家族が互いに助け合って乗りこえていきます。一九〇七年にドイツで出版されて以来、世界中で読みつがれてきた家庭小説の傑作。小学校上級以上。
著者等紹介
ザッパー,アグネス[ザッパー,アグネス][Sapper,Agnes]
1852年、南ドイツのミュンヘンに生まれた。1882年、新聞の懸賞小説に応募し、当選を機に作家活動に入る。1892年、最初の短編集を発表。1907年に家庭小説の長編『愛の一家』を出版したのちも、この続編をはじめ、数々の作品を執筆した。1929年没
ヴェルシュ,マルタ[ヴェルシュ,マルタ][Welsch,Martha]
1920年~30年代に活躍したドイツの挿絵画家。アグネス・ザッパーのほかの作品や、ザッパーの伝記などにも挿絵を描いている
遠山明子[トオヤマアキコ]
1956年生まれ。ドイツ文学翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うめ
21
正直に、真面目に生きていくことの素晴らしさ。子どもへの教育も、頭ごなしに叱るのではなく、共に考え、共に良くなっていこうとする姿勢が素敵だった。特に、音楽の素養があるからといって好き勝手させず、きちんと学校の勉強の大切さも説くところ。また、お金についても包み隠さず、子にも共有するところ。お金がなくとも幸せ、なんて書いていない。ある意味この一家は締り屋だし、お金が無いと父は短気が亢進する(笑)けれども家族で助け合って危機を乗り切るところが素敵。あたたかな家庭に必要なのは、月並みだけど、愛と誠実さ、なんだな。2016/05/28
horuso
4
約100年前のドイツの家庭物語だが、彼らが相互に大切にしあう様子が、およそ現実離れしていて、100年前だからこうなのか、ドイツだからこうなのか、物語だからこうなのかがわからない。自分の家庭と見比べて何度ため息をついたことか。やっぱり父親の立場で読んだけれど、ぼくは彼よりもお金に困っていないし、ちょっとした愉しみはたくさん知っているけれど、彼のように満ちたりた日々は送っていないのではないか。読んでいる間、穏やかで優しい気持ちになるのは確かだが、少しの痛みも感じた。2015/06/12
長くつしたのピッピ
4
わがままですぐ感情的になる父親と、どっしりとした心の広い母親。七人の子どもを中心とした物語は日常の些細なことを描いているが、その時々の子どもの気持をしっかりと書かれてあって、かつて子どもだった時の不安や喜びを思い出した。もっと早くに出会いたかった。穏やかな優しい気持ちで読書を終えた。訳も良かった。2014/09/17
joyjoy
3
子ども7人の大家族。愛で結ばれている。落ち着いていて思慮深いお母さんに憧れる。続編も出れば読んでみたい。2021/05/14
Yumi Ozaki
2
昔、子供文学全集で読んだ懐かしい本です。2022/03/17