内容説明
少年がふと手にした本は世界一高くなる木、「セコイア」について書かれたもの。読み進むうち、ふしぎなことが起こる。少年が地下鉄の駅をでるとそこはセコイアの森だった…簡明に語られるセコイアについての情報と絵の中の少年のものがたりがたくみに響きあってセコイアのすべてを描きます。
著者等紹介
チン，ジェイソン［チン，ジェイソン］［Ｃｈｉｎ，Ｊａｓｏｎ］
作家、画家。ニューヨーク州にあるシラキュース大学で絵を学ぶ。卒業後はニューヨーク市内で最も大きく、古くからある児童書専門店“ブックス・オブ・ワンダー”で書店員として働きながら、児童書画家としての道を歩きはじめる。アメリカ、ニューヨーク市ブルックリン在住
萩原信介［ハギワラシンスケ］
１９４７年神奈川県鎌倉市生まれ。東京大学大学院修了。植物生態学専攻。国立科学博物館附属自然教育園を退職し同園特任研究員。長年にわたって都市林の研究や生物季節データベースの作成を通じ、「種」の存在様式を生理生態学的に追究している。教育関係では自然観察の指導の他、アルソミトラなどの空飛ぶタネの模型を考案（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
140
メタセコイアという昔からの木が絶滅にひんしているということでこの作者は書かれたのでしょうが、その意図はかなり成功していると思われます。アメリカにはまだかなり存在していると思われるのでしょうが、環境破壊や都市化の波で今後どうなるかはわかりません。子供にこのような意識を植え付けていくのは非常に大切なことだと思われます。2016/07/29
Ｍａｉラピ
31
昨年、ＮＨＫのグレートネーチャーの“世界一の巨樹の森”を見てから、カリフォルニアの憧れの長老の巨樹たち、世界で最も高い樹、世界で最も大きな樹、世界で最も長生きの樹であるセコイアの絵本。いつか会いに行きたい！！悲しいことにここも生物多様性のホットスポットなのです。セコイアの森林が伐採で減少してます。そこでしか住めない動物たちは絶滅の危機に瀕してます。いろんなことが学べる絵本。この絵本の中の本のようにたくさんの人の手に渡り、人と本が旅する、そんなふうにこの本で学んだ知識や意識が伝わっていくといいな。2012/01/29
kanata
24
「1本のセコイアの木の上に、セコイアの林があったのです」100mを超す巨樹になる。セコイアと隣り合わせでしか生きられない動植物もある。調査隊の人たちが樹の上で迷子になることもあるくらいのスケール。一度眼前に立ちたい。そしてその壮大さに圧倒されてみたい。2019/05/06
mntmt
20
全ページ、驚きにあふれていた。すごいぞ、セコイア！2016/10/22
みさどん
20
世界一高い木は30階建ての高層ビルの上をいくのだ。置き忘れてあった木の本を読んで、少年は木の上や木登りを空想体験する。世界一の木には、驚くような世界一レベルの話がいくつもでてきて飽きない。最後にその生育地域の激減にも触れてあり、そんな老齢林でしか生活できない生き物もいることがわかる。読み手が自然に目を向けるきっかけになるかも。調べてみて、日本にはわりとあるメタセコイアとは違う種類だとわかった。木も自然も生き物も大事にしたい。2016/05/31
