内容説明
日本人にとって最も馴染みのある桜の一年を、精緻な絵とリズム感のある文で描いた作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
201
わたしの名はさくら。わたしは木。もうすぐ花を咲かせます。待っていてください。小枝の先は冷えてしまっているけれど、静かに生きています。やがて春はやってくるから。近づいてみてください。固い殻に閉じこもっていたけれど、そよろそよろと芽が膨らんでいるんです。少しほぐれれば淡い色が見えてくるでしょう。ひとつの芽からいくつもの花柄がのびて、仲間たちと一緒に一斉に。ほうら、咲いた。花の蜜をどうぞ。わたしは儚く散りますけれど、その時までは見つめていてくださいね。さて、来年の春に向けてまた葉を広げます。また会いましょうね。2023/02/19
pino
176
桜の木の一年が優しいタッチの絵とリズミカルな文で説明されている。満開の桜がみごと!やがて、花は散り・・・。さすが(かがくのとも絵本)だけあって、その後の木の変化を詳しく追っている。葉っぱが大きくなり実をつけ、紅葉し、落葉し・・・。また芽を出す。四季の移り変わりとともに命を育む桜の様子が、時にズームアップされた絵と親しみやすい言葉で綴られている。春の桜もいいが、緑の葉がそよぐ夏の桜もいい。枝先に固い芽をつけた冬の桜も。散りゆく桜は美しく儚い。ちょっぴり淋しいが、初夏からのエネルギッシュな桜は、とても面白い。2013/04/03
Kawai Hideki
110
ソメイヨシノの木が、一人称で自己紹介する絵本。最初のページは花が咲く直前。「もうすぐ はなが さきます。 まっていてください。」の一言の後、ページをめくると、遠景でパッと一気に満開。「ほうら さいた!」。このツカミは鮮やか!そしてこのソメイヨシノは太っ腹。ヒヨドリやスズメに蜜や花をごちそう。花が散って葉が出て来たら、今度は毛虫やセミに葉っぱや樹液を大盤振る舞い。秋冬を超えて、2度目の春が来ると、今度は枝先で繰り広げられる芽→つぼみ→花へのドラマをミクロに解説。締めくくりは満開の枝の近景。みごと、みごと!2016/03/27
馨
108
さくらが語る絵本。桜の絵が繊細でリアルでした。桜の1年がとてもよくわかります。葉桜になった後も、いろんな生物の役に立っていたんですね。2024/06/15
ぶち
108
精緻な絵とリズム感のある文で、1本の桜の木の一年を描いています。桜の生命の営みと輝きが伝わってきます。 咲き始めの桜、満開の桜、風に吹雪のように散る花びら、青々と輝く葉桜、秋の紅葉、葉をすっかり落とした冬の桜の木と蕾.....どの季節の桜も大好きです。 桜の一年を淡々と語る絵本ですが、なぜか涙が滲んできそうになってしまいました。2019/03/28
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