内容説明
高校を卒業して、大学が始まるまでの夏休み、親友のクリスとウィンは2カ月かけてアメリカ大陸を横断する自転車旅行に出かける。だが、ゴールの西海岸に到着する寸前、ウィンは突然姿をくらます。大学が始まっても戻らないウィン。行方不明となったウィンを捜して、クリスはふたたび二人で通った道を辿る。
著者等紹介
ブラッドベリ,ジェニファー[ブラッドベリ,ジェニファー][Bradbury,Jennifer]
ケンタッキー生まれ。ワシントン州バーリントン在住。高校の英語教師を8年間務めたのち、『シフト』で作家としてデビュー
小梨直[コナシナオ]
翻訳家。東京生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Alice@JazzCafé
13
高校の卒業旅行で自転車大陸横断の旅へと出発した親友のクリスとウィン。ところが途中でウィンが消えた。ウィンの失踪の謎を追いながら、二人の少年の別れと新たな旅立ちを描いた成長物語。青春のほろ苦さや別れの寂しさを残しながらも、とても爽やかで清々しい読後感で、読んでいる途中よりも本を閉じた後に好きになった。いつも一緒だった友達がいつの間にか成長し変わっていくことへの戸惑いや、独り立ちしてこれからはそれぞれ違う道を歩んでいくのだという人生におけるシフトをうまく表現している良質YA作品だった。卒業シーズンにおススメ!2014/03/05
のこ
11
高校を卒業し、大学が始まるまでの夏休み。親友のクリスとウィンは2ヶ月かけてアメリカ大陸を横断する自転車旅行に出かける。だがゴール寸前、ウィンが突然姿をくらましてしまう。■行方不明になったウィンを追って、もう一度二人で通った道をたどるクリス。ロードムービーのような流れで映画を見ているようでした。最後の終わり方も良くて、このあとエンドロールが流れそうです。■解放されて穏やかになったウィン。これで良かったのかもしれないと思いつつ、クリスの潔白を証明してあげたら…?とも思ってしまいました。2014/02/20
ケニオミ
7
家庭が裕福で、父親の威光でアイヴィーリーグ大学に入学が決まっているウイン。一方、それほど裕福ではないが、勉強もできるクリス。親友である二人が高校卒業を記念してシアトルまでアメリカ大陸横断の自転車旅行に出るが、到着間近のある日、ウィンはクリスを置いて失踪してしまう。大学が始まっても戻らないウィン。そのせいで、彼の父親がFBIを動員して、クリスから執拗に理由を聞き出そうとするのだが・・・。本書にも言及している通り、ジョン・クラカワーの「荒野へ」にも通じるストーリーで楽しめたが、もう少しひねりがあった方が・・・2012/12/03
ぱせり
5
人生のある段階の鮮やかなシフトの物語だった。クリス、ウィン、いつかわたしのところにも絵ハガキを送ってほしい。二人とも、再び走り始めるんだね。各々の走りかたで各々の道に向かって快走していく。それが嬉しい、清々しい。眼前に世界が広がるようだ。2013/02/20
naonchi
5
む~ん。たまりません!日本だったら完全に一般文芸書です。主人公が大学入学前の設定なのでYAといっても、よりハイティーン向け。自転車好き、冒険好きには同じ世代設定を得意とするクリス・クラッチャーの作品と同じくらい必読です!「別の場所でも自分が変わらずに、在りのままの自分でいられる、そう確信できるまで」というのは旅の最終目的というか、バックパッカーの本音みたいなもので。。。映画『イントゥ・ザ・ワイルド』で有名になったクラカワーの『荒野へ』ほど痛くなく、爽やかで気持ちがいい。お勧めっ!2012/10/25