内容説明
マサオは、めずらしいキップのコレクションをしている。昭和四四年四月四日という4ならびが、究極のターゲットだ。そこで、たまたま拾った「タイムチケット」という紙切れに遊び半分でその日付を書きこんでみたら、なんと、一瞬のうちに過去に到着!いろんな人との出会い、予測もしなかった体験、そして、タイムリミットはぐんぐん迫る。ああ、もう、キップを手に入れる時間がない…!
著者等紹介
藤江じゅん[フジエジュン]
1965年、千葉県生まれ。出版社勤務のかたわら子ども向けの作品を書きはじめ、2002年、「五本目のろうそく」で第2回グリム童話賞優秀賞を受賞。2004年、「冬の龍」で第10回児童文学ファンタジー大賞奨励賞を受賞。同受賞作に大幅な加筆修正をほどこし、2006年、『冬の龍』として単行本化。2007年、同書で第17回椋鳩十児童文学賞を受賞。現在、東京都在住
上出慎也[カミデシンヤ]
1963年、石川県生まれ。金沢美術工芸大学を卒業後、同大学院美術工芸研究科を修了。都市景観やまちづくりに関わる仕事を経たのち、イラストレーターとなる。絵本や挿絵、子どもたちとの絵本づくりワークショップなどを中心に活動している。現在、石川県在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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へくとぱすかる
62
表紙の少年のひとりが諸井くん? と思ったが、予想は外れた。しかしちょっとした驚きが……。タイムパラドックスを十分に考えて書かれている作品で、大きな事件こそ起こらないが、少年の日常としてはその方がリアルだ。1969年を表象する小道具などよりも、人と人とのつながりの方が、ずっとノスタルジアを感じさせる。マサオにとっても、レアな切符などよりも、出合った人との思い出が、後の心にも深く残ることだろう。2019/09/21
sk4
28
タイムスリップによって過去に戻った少年が、同年代の父親と行動を共にする、自分探しの物語。 涙目のお父さんを興奮気味に舐め回すリッキー(シェパード犬)の絵がウケるw ・・・私たちの暮らしの中にも、何だか不思議な出来事って、ある。後の成り行きに妙に繋がってる出来事とか。そういう時ってもしかしたら、未来からやって来たトラベラーと共にひと時を過ごしてたのかもしれない。絶対!2013/03/06
くろうさぎ
20
図書館本。タイムスリップのお話ですが、随所に心に響く場面が出てくるのも良かったしストーリーも楽しめました。どんなことがきっかけになって、そこからの人生が変わるかわからないというのも感慨深い。もしタイムチケットを見つけたら、いつの日付を書くだろうか?考えただけでワクワクします。2021/03/28
ひろ☆
7
タイムスリップ物は好きなので。何がきっかけで人生は変わるか分からない。 わくわくほのぼの。2013/03/20
kiti
6
タイムスリップ物です。切符収集を趣味にしているマサオが昭和44年4月4日の切符を買いに過去に行ったら、自分と同い年くらいの父親に会うお話。仕事ばかりで家庭を顧みない父親と友達になり、心通わせ、現代に戻って父をより理解する。心温まるお話でした。2012/08/09