内容説明
そばがらじさまの捨てた犬を、まめじさまが大切に育てていると、犬がかもしかを捕まえてきて、まめじさまは、しし汁にありつけます。羨んだそばがらじさまが、犬を無理やり連れていきますが、ひどい目に。良いじいさんと悪いじいさんが登場してくる典型的な本格昔話を、選び抜かれた表現で展開する昔話絵本の傑作です。
著者等紹介
小林輝子[コバヤシテルコ]
1934年、岩手県に生まれる。俳句を作るかたわら、昔話を聞き集めている。風土同人、俳人協会会員。岩手県在住
赤羽末吉[アカバスエキチ]
1910~1990。東京に生まれた。1959年、日本童画会展で茂田井賞受賞。主な絵本に『ももたろう』(サンケイ児童出版文化賞)、『スーホの白い馬』(サンケイ児童出版文化賞、ブルックリン美術館絵本賞)、さし絵に『白いりゅう黒いりゅう』(サンケイ児童出版文化賞、岩波書店)などがある。1980年、それまでの絵本の業績に対して、国際アンデルセン賞画家賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あおい
21
性悪なそばがらじさまは善良なまめじさまの物を横取りし思うような結果が出なければ壊してしまう。花咲か爺さんみたいな話です。最後は自業自得とはいえ残酷。2016/05/15
クラムボン
20
この昔話は『花咲か爺さん』に似てるので、その系統かも。いい爺さんと悪い爺さんの話です。物語は方言で語られています。東北方言かな? ちょっと方言が難解で苦労しましたが、味わいがあります。しかし悪い爺さんは、とことん悪くて見るからに悪人面ですが、やることが全て裏目で悲惨です。しかし何となく滑稽で愛嬌もあります。と言うのも悪い方の婆さんが、より以上に悪そうに描かれているからです。2021/05/03
たまきら
20
花さかじいさまの仲間と言ったところでしょうか。う~むひどいぞ。おたまさんと「もっと怒るべきでしょ!」と憤慨してしまいました。だって、犬の絵がすごくかわいいんだもの~。2017/12/05
みよちゃん
17
花咲爺さんのような展開。赤羽さんの絵が素敵。臼ではなく、するすー今で言う精米器のことーなど言葉がわかりずらいところもあるが、話は面白い。2018/10/03
ochatomo
15
「私の絵本ろん」より 8種類の和紙を使って『いいじいさんにはきれいな紙、悪いじいさんにはゴワゴワの紙』 激しい場面もあるが表現は美しく、子どもに是非読んで欲しい 扉と〆が印象的 初出こどものとも1980年10月号 2009刊2021/03/08