内容説明
深い穴に落ちてしまった敵同士の野ねずみと山猫は、穴から出る方法を考えます。
著者等紹介
きむらゆういち[キムラユウイチ]
木村裕一。東京都生まれ。多摩美術大学卒業。造形教育の指導、テレビ幼児番組のアイディアブレーンなどを経て、絵本・童話作家に。『あらしのよるに』(講談社)で講談社出版文化賞絵本賞、産経児童出版文化賞JR賞受賞。脚本を担当した2005年公開の東宝映画「あらしのよるに」では「日本アカデミー賞優秀賞」受賞。著書は500冊を超え、絵本・童話創作に加え、戯曲やコミックの原作、小説など幅広く活躍中。純心女子大学客員教授。東京在住
高畠純[タカバタケジュン]
名古屋市生まれ。愛知教育大学卒業。絵本作家、イラストレーター。『だれのじてんしゃ』(フレーベル館)でボローニャ国際児童図書展グラフィック賞、『オー・スッパ』(講談社)で日本絵本賞を受賞。東海学院大学教授。岐阜県在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やま
110
あなたはネズミか…、ヤマネコか…。3匹のネズミが2匹のヤマネコに追われて穴に落ちて、穴からの脱出方法を話し合う絵本です。笑えるようで笑えない物語になっています。3匹のネズミと2匹のヤマネコが、どちらが先に出るかを話し合っていますが、ネズミは、後から出るとヤマネコに食べられると言い。ヤマネコは、ネズミが先だと穴の中に置いていかれると言い。なかなか話がまとまりません。実社会でも同じような事が起こります。本当に、笑えるようで笑えない話です。字の大きさは…中。2021.10.17読了。★★★☆☆2021/10/17
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
80
森の中から飛び出してきた3匹のノネズミ。2匹のヤマネコに追われています。「ひえ~!」「た、たすけてぇ~!!」「にげろ~!!!」。追われる方も追う方も必死。だから、気がつかなかったのです。目の前に深い穴があることに……。〈あなから脱出すること〉で利害が一致したねずみとねこ。知恵を出し合いますが、なかなかみんながハッピーになる答えがみつかりません。議論は続きます、いつまでも。ストーリーを生かした縦向きの装丁。『100かいだてのいえ』シリーズと同じ発想ですね。動物たちの表情と色使いが良い。2008年6月初版。2015/02/15
モリー
72
どうすれば、どうすれば…。頭をひねって考えました。ねずみ年生まれ故かどうかは分かりませんが、猫がネズミに追われる場面を見ると手に汗握り、まるで自分が追われている気分になりました。追う猫と追われるネズミは一緒に陥った命の危険から脱する事が出来ましたが、仲良くなれた訳ではなさそうです。それでも、この後きっと仲良くなれたに違いないと、心のどこかで思えてホッと出来るのは絵の力かな?。喧嘩する子どもたちに「仲良くしなさい!」と叱るより、ユーモアに包まれたこの絵本を読み聞かせした方が、何倍も効果がありそうです。2021/09/25
masa@レビューお休み中
62
山猫が野ねずみを追いかける。前方に穴があることに気づかず、あっ!と思った瞬間に、みんなで真っ逆さまに穴に落っこちてしまう。もう逃げることもできない野ねずみたち。一体彼らの運命はどうなるのか!?縦ページで進む絵本って、はじめて読んだかもしれないですね。山猫が追いかけている姿とか、猫とねずみが穴に落ちていく様子が臨場感があって、まるでゲームをしているような楽しさがあります。そして、山猫と野ねずみたちのやりとりも楽しいんですよね。みんなのやりとりを見ているとクスクス笑えてきます。2012/12/31
anne@灯れ松明の火
40
《多分、再読》次回読み聞かせで、”あな”の話があるので、タイトルに反応。縦長に開いていく形も珍しいので、いいかなと思ったが、検討の結果、今回は、プログラムには入れず。ネコとネズミというと、トムとジェリーを思い出す。少し似てるかな? ラスト、一体いつ、気づくんだろう?(笑)2012/05/03