内容説明
オリヴィアは９歳、ネリーは５歳。ふたりがひと夏身をよせたおばさんの家には、草深い大きな庭があった。妖精の物語にみちびかれて、古い庭で姉妹が見つけたものは―。
著者等紹介
ライル，ジャネット・テーラー［ライル，ジャネットテーラー］［Ｌｉｓｌｅ，Ｊａｎｅｔ Ｔａｙｌｏｒ］
１９４７年、アメリカのニュージャージー州に生まれる。スミスカレッジで英文学を専攻し、卒業後は、ヴィスタ（米国政府の救貧政策）のボランティアとして二年間活動する。こののちジョージア州立大学でジャーナリズムを専攻し、以後十年にわたりジャーナリストとして活躍。１９８１年に作家活動を開始し、１９８４年、初めての児童書を刊行する。ロードアイランド州在住
市川里美［イチカワサトミ］
岐阜県に生まれる。絵本作家。１９７１年パリに渡った後、独学で絵を学ぶ。１９７５年、イギリスの出版社より最初の絵本が出版される。作品の数々は各国語に翻訳され、世界中の子どもたちに親しまれている。『はしって！アレン』（偕成社）でサンケイ児童出版文化賞・美術賞を受賞。パリ在住
多賀京子［タガキョウコ］
１９５５年、岡山県に生まれる。上智大学外国語学部フランス語学科卒。絵本、児童文学の翻訳家として活躍するかたわら、図書館や小学校で昔話などを語るストーリーテリングの活動もしている。神奈川県在住（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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やすらぎ
127
母を亡くした姉妹。わがまま放題だけど不思議な魅力のある少女、ネリー。母のような気持ちで妹を見守る読書好きの姉、オリヴィア。仕事で長期不在の父。夏休みはミンティおばさんの家で過ごすことに。…そこにある大きな庭はある本の舞台となっていて、その本に描かれたものが次々と発見される。その庭にかけられた魔法を解く鍵を探す姉妹の物語。…花を育てるのが上手なおばさんは、植物と同じようにゆっくりと成長する姉妹を、手をかけつつ優しく見守り続けます。いつの間にか、それぞれの心を縛りつけて不自由にしていた呪縛は解けていきました。2021/06/18
ぶんこ
48
5歳と9歳の姉妹が預けられたのは父のおばさんの家。母を亡くし、不思議なルールに取り憑かれた妹は人の言う事をきかない。癇癪を起こして泣き叫ぶ。そんな妹を母代わりに守ってきた姉オリヴィア。わがままで支配的な妹に振り回される9歳の姉と、年老いたミンティおばさんが気の毒でしたが、昔この家に滞在していた作家の絵本を見つけたことでネリーが変わり、オリヴィアも学校に通い出して友達も増えました。良い方向に変わる二人の子。なんだかミンティおばさんこそが妖精にみえてきました。2021/05/31
木漏れ日の下
18
下の子が図書館にて借りてきたのですが、まだ早かったようで読めない漢字が多いということで一緒に二日がかりで読みました。下の子の感想は「ネリーって悪い子ね！」でした(笑)でもオリヴィアのような優しいお姉ちゃんはいいなと言ってました。本当に姉のオリヴィアは優しくて自分が我慢することで何とか均衡を保とうと必死な感じがして切なくなりました。ネリーの癇癪にあんなに理解を示すオリヴィアと解ろうとするミンティア伯母さんにも感嘆するばかり。伯母さんのお家の庭にまつわるファンタジーなお話を織り混ぜてあるのが魅力的でした。2018/04/07
クサナギ 「読んでる本」＝「バイブル本」
16
母親を失い、夏休みの間おばさんの家に預けられることになったオリヴィアとネリーの姉妹。ある日おばさんの家で古い物語を見つけます。「悪い妖精に花にされてしまった子どもたちを救うには、庭に埋められたティーセットを見つけ出すことーー」という物語を鵜呑みにしたネリーがおばさんの庭を掘り起こすと、古いティーカップが出て来て……！二人の女の子の成長物語。舞台（古い屋敷と草が生い茂った庭）もいいし、姉妹やおばさんのキャラクターもいい。あれ？ジブリでやってなかった？て思うほど頭のなかに映像が浮かぶ。素敵な物語でした。2016/04/13
花林糖
16
（図書館本）母親を亡くしたオリヴィアとネリーの姉妹が、ミンティーおばさんの魔法をかけられた様な不思議な庭で成長・変化していくお話。市川さんの挿絵・表紙絵が素敵でした。ミンティーおばさんの沢山の蔵書と庭が印象的。2015/09/09
