内容説明
ぼくはグラマースクールに通うビル。湖のそばの山荘に引っ越してきた翌朝、見つけたボートで妹と湖の小島にこぎ出した。ところが待っていたのは、島の持ち主アルフレッド卿の「湖はボート禁止だ」の一言。島には何が隠されているのだろう。そしてついにぼくらは埋もれた千年前の「宝物」を発見する…。小学校上級以上。
著者等紹介
トリーズ,ジェフリー[トリーズ,ジェフリー][Trease,Geoffrey]
イギリスの子どもの本の作家。児童文学についての著述家。1909年、ノッティンガムに生まれ、ジャーナリストや教師などを経て、1930年代に本格的に作家活動をはじめる。歴史小説にすぐれ、『反乱のいとぐち』などの作品がある。1998年没
ケネディ,リチャード[ケネディ,リチャード][Kennedy,Richard]
イギリスの挿絵画家。1910年、ケンブリッジに生まれる。絵は独学に近く、線画が特徴。水彩画も多数手がけた。生涯に200冊以上の本に挿絵を描き、日本ではファージョン作『リンゴ畑のマーティン・ピピン』の挿絵で知られている。1989年没
多賀京子[タガキョウコ]
1955年、岡山県に生まれる。上智大学外国学部フランス語学科卒。絵本・児童文学の翻訳家。図書館や小学校で昔話を語る活動もしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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へくとぱすかる
35
ある意味ハリー・ポッターの「逆」を行く物語。「寄宿舎の生徒じゃなく、ふつうの子どもの話を書いてほしい」という要望に、作者が応じた作品。地主であるアルフレッド卿の「湖にボートを浮かべるな」という、理不尽な要求の裏に隠された真実を求める子どもたちの冒険。1回だけシャーロック・ホームズへの言及があるように、これはミステリとも言えるだろう。それにしても最初の話の発端がすごい。無茶だ! 売り言葉に買い言葉とは、こういうことを言うのだ。大家の小言にたてついたとはいえ、簡単に引っ越しを決めるなんて、無茶なおかあさん。2015/01/06
たぬ
17
☆4 これは少年探偵団じゃないか。中学生4人組による謎解き活劇がわっくわくのドッキドキだよ。謎の白骨遺体×言動が怪しすぎる隣人とくれば…ねえ。どうしたって調査に乗り出しちゃうよね。ユーモアのセンスは上々なビルとスーザンのお母さんはじめ脇を固める大人たちも魅力的なんだ。第一印象こそ悪かった校長先生ものちに強力な味方になったことだしね。それにしてもイギリス人てのは紅茶飲みまくるしごくナチュラルにシェイクスピアで例えるんだなあ。2024/09/30
timeturner
13
最高に楽しかった! 禁じられた島、謎の人骨、埋められた宝といった子供が夢中になる要素だけでなく、イギリスの学校生活や田舎の暮しについての知識もぎっしり。時代に流されない上品な翻訳は読みやすいし、巻末の注もすごく参考になる。2021/03/14
無識者
13
面白かった。なんて書くともっとまともにかけよと学校の先生ならいいそうだが、それしかないから仕方がない。田舎の湖水地方に引っ越すことになり、そこでボートを見つける。おばさんの愛した島に上陸するとそこから大地主アルフレッド卿という嫌な奴の邸宅を一望できる。そのアルフレッド卿は子供が島に入ったことを知ると保護区であるという嘘をつき挙句の果てにボートを禁止してしまう。なぜそこまで理不尽なことしなければならないのか。2016/04/16
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
12
12月予定の4・6年生のブックトーク授業【テーマ 冬休みに読んでみよう】用に選書。2019/11/04