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日本傑作絵本シリーズ
ハルばあちゃんの手

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  • サイズ A4変判/ページ数 1冊(ペ/高さ 29X31cm
  • 商品コード 9784834021066
  • NDC分類 E
  • Cコード C8795

内容説明

ハルは海辺の小さな村に生まれた。「おや、ほくろのあるいい手じゃ。きっとこの子は器用だし、幸せになるよ」とハルの手をみて、みんながいった。ハルは小学生になった。手を使うことならだれにも負けなかった。折り紙でもお手玉でもあやとりでも。みんながハルの手をうらやましがった。ハルが15のとき、戦争で父さんが死んだ。まもなく母さんも病気で亡くなった。ハルは男の人に交じって必死に働き、家族の生活を支えた。そんなハルのただ一つの楽しみは、年に一度の盆踊りだった。

著者等紹介

山中恒[ヤマナカヒサシ]
1931年、北海道小樽市に生まれる。早稲田大学第二文学部卒業。児童文学作家として活躍する一方、戦時史、患者学、医療問題、教育問題など、幅広い分野のテーマについて執筆している。著書は200点以上にのぼる。第6回日本児童文学者協会新人賞、第21回サンケイ児童出版文化賞、第6回巌谷小波賞、第38回産経児童出版文化賞、第31回野間児童文芸賞、第38回エクソンモービル賞を受賞。映画化された作品(大林宣彦監督)に「転校生」「さびしんぼう」「はるか、ノスタルジー」「あの、夏の日」がある。テレビドラマ化された作品に「あばれはっちゃく」(テレビ朝日)、「どっちがどっち」(NHK)など多数。神奈川県在住

木下晋[キノシタススム]
1947年、富山県富山市に生まれる。画家として活躍するかたわら、東京大学工学部建築学科、武蔵野美術大学、新潟薬科大学で講師を務めている。16歳のとき、自由美術協会展に最年少で初入選し、注目を浴びる。やがて、画家の麻生三郎、美術評論家の瀧口修造、本間正義らの知遇を得る。全国各地とパリ、ニューヨークなどで個展やグループ展をひらく。2004年に、「六本木クロッシング展」(東京・森美術館)、「四国八十八ヵ所遍路文化と美術展」(東京・日本橋高島屋、大阪、横浜、京都巡回)、「木下晋展―鉛筆画による迫真の超リアリズム」(富山・朝日町立ふるさと美術館)、「木下晋展―深いものの本質と意味」(長野・駒ヶ根高原美術館)がある。パブリックコレクションとして、富山県立近代美術館、宮城県美術館、湯殿山注連寺、目黒美術館、富山県教育委員会、信濃デッサン館、本間美術館、致道博物館、町立久万美術館、池田20世紀美術館、新潟市美術館、高知県立美術館、ベネッセアートサイト直島、新潟県立万代島美術館、佐喜間美術館などに作品が収蔵されている。東京都在住
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Hideto-S@仮想書店 月舟書房

119
モノクロ写真のように精密な絵で描かれた、器用で働き者の手を持った女性の人生。静かな感動が広がる。子供の頃からハルは、おりがみ、おてだま、あやとりなど手を使う事なら一番だった。手仕事がきっかけで淡い恋も芽生える。悲しい出来事や辛い生活もあったが、ハルは手を動かし続けて乗り越えた。生きていくため逞しくなった手は、年に一度の盆踊りでは軽やかに舞った……。どんな風に生きてきたかは顔だけでなく手にも現れる。残念ながら、自分の手はハルのようには動かせないけど、自分なりに生きた証を刻んでいきたい。2005年6月初版。2016/05/14

けんとまん1007

66
ばあちゃんの手。自分のばあちゃんの手は、働き者の手だった。小柄で小さな手だった。けど、いつも働いていた手だた記憶しかない。そんな手を想い出す、ものがたり。手を見ると、その人のすべてがわかる・・・と、どこかで聴いたこおがある。そうだと思う。読みながら、これは、おわら風の盆では・・・と、思ったら、やはりそうだった。2021/08/05

ぶんこ

64
表紙絵からドキッとさせますが、絵が衝撃でした。モノクロのデッサン画のようで、リアルであり迫力ありで、幼い子には刺激が強すぎるかもしれません。それぞれだけに訴えてくるものがありました。ハルさんの優しさ、健気さが手のしわ、節の大きさに現れた働き者の手。ゴツゴツしたハルさんの絵だけに、盆踊りの場面での美しさが匂い立つ感じがしました。秋田西馬音内の盆踊りを思い出しました。2016/10/30

がらくたどん

57
桜木柴乃さんの『青い絵本』に収録されていた「いつもどおり」という短編を読んで思い出した絵本。収録作は半ば休眠中の作家がやはり病後だという旧知の編集者から老若男女の「今わの際」を写実した高名画家の絵を絵本に仕立てるために文を担当して欲しいと頼まれる物語。写実絵画は事実ではないが言語で拾いきれない真実を映し出す。本書は戦中・戦後の暮らしの明暗を見つめた児童文学者山中恒と鉛筆による写実的な肖像画の第一人者木下晋によるハルという女性の生涯の物語。彼女の手が紡いできたいつもどおりの愛と涙の毎日の時間の尊さを想う。2025/03/04

punyon

41
モノクロで描かれた手の細密画が紡ぐ一人の女性の人生。読友さんのレビューに魅かれ手に取った。小さな小さなふっくらした赤ん坊の手。その手が両親を亡くした祖母や弟妹たちの戦中、戦後の生活を支える。ケーキ職人と結婚し、店を手伝い、子供を育て…手は少しずつ節くれだっていく。歳を重ね二人で向き合うしわくちゃの笑顔に胸が熱くなる。そして最後「あんたのおかげで、ずっと幸せだったよ」語られるその言葉に涙腺崩壊😭表紙に描かれるごつごつとした血管の浮き出た手。何も言わぬ手が語るハルさんの重ねてきた時の重さ。素敵な絵本💕2025/03/12

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