内容説明
聡子は六年生。好きな男の子霧島くんと仲良くなるために、塾の夏期講習のあいだ、お互いの苦手科目を克服する「ハッピーノート」をつくって一緒に勉強するのですが……。なかなか自分らしくいられない女の子が、わがままでも人の言いなりでもない自分のペースをつかんでいく、ひと夏の体験。読んだ後ちょっぴり前向きな気持ちになる一冊です。
著者等紹介
草野たき[クサノタキ]
1970年、神奈川県生まれ。実践女子短期大学卒業後、会社勤務。99年『透きとおった糸をのばして』で講談社児童文学新人賞を受賞し、デビュー。同作で、児童文芸新人賞を受賞
エヴァーソン,ともこ[エヴァーソン,トモコ]
大阪芸術大学卒。デザイン会社勤務を経てイギリスに留学。帰国後、イラスト、デザインの仕事をする。個展、グループ展など作家としても活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chiaki
36
本音を押し殺して他人に同調し、まるでいい子の仮面をかぶっているかのような友だち付き合い…嘘ならすらすらと言えてしまう聡子の背中を思うと悲しかった。思春期って人から良く見られたいの塊なのかな〰️、今の時代は加えてSNSでの付き合いもあるからもっと複雑なはず。世津の本音、向かい風に向かう母の背中、知らなかった父の想いを知ることで、聡子の気持ちに少しずつ変化が生まれ、一歩踏み出す勇気を持てたことは本当によかった、と我が子のように聡子を見守ってました。リサは謎だけど、霧島くん、なんかそんな感じした!最後は爽やか。2020/08/14
雪丸 風人
22
塾では一人ぼっち。だけど、塾帰りに寄る店で、気になる男子と並んで復習をするのが秘かな楽しみという主人公。クラス落ちで、とてもじゃないけど彼に顔向けできなくなったと落ち込む彼女ですが・・・。本心を隠して不器用に生きる小6女子の物語。主人公が「あんな風にはなりたくない」とさえ思っていたお母さんの必死の頑張りに触発され、勇気づけられ、自分の気持ちに正直になっていくという展開がいいですね。彼女が主張したいことをかわいらしく主張したことで得られる、幸福感を予感させるラストも好きです。(対象年齢は11歳以上かな?)2020/09/12
つきみや
18
淡々とした文章の中に聡子の生きづらさが隠れていて、胸がギューっと締め付けられました。 途中で霧島くん……あれ?もしや……ってなってからの2人の思いのすれ違いが見ていて辛くて辛くて…… ていうかよくあんなにすらすら嘘がつけるな…… でも最後は聡子も嘘で自分を固めないで、「本当の自分で」人に接することができていて、 よかった。 やっぱり、嘘とかついてるとめんどくさくなってきちゃうんだよね。 嘘を平気でつく自分が嫌いになり、その後で嘘をついていたのがバレる。 「嘘」はやっぱり人をダメにするなぁ……と思う。2020/11/06
どら母 学校図書館を考える
16
18年も前の本なのに 古びていないのに驚く。6年担任からのリクエストあって確認。2023/05/23
ひめか*
16
すごい好き!なんか中学受験のときの感じを思い出した。2012/08/05