著者等紹介
乾千恵[イヌイチエ]
1970年、大阪に生まれる。1990年から各地で、図書館、お寺、学校、美術館、野外(森や畑)などを会場に、書展と語りの場が開かれてきた。大阪在住
谷川俊太郎[タニカワシュンタロウ]
1931年、東京に生まれる。東京在住
川島敏生[カワシマトシオ]
1949年、高松に生まれる。写真家。東京在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やすらぎ
160
乾千恵さんの書。漢字一文字に思いを込める、魂の左手。川島敏生さんの写真、谷川俊太郎さんの言葉が添えられている。本の大きさには限界があるけど、実際には大きな紙に太い筆で描かれたものだろう。筆の先は勢いよく自由のままに導かれていく。「山」霧が太陽の光に照らされて起こるブロッケン現象のような書。「月」毎夜沈んでは少しずつ欠けてまた満ちていく姿を表現しているよう。「音」空気を震わせて弾け飛ぶしぶきに鼓動を感じる。「馬」たてがみをなびかせて軽やかに疾走している。文字は画である。書を残すとはどのような感情なのだろう。2025/03/29
Kawai Hideki
104
乾千恵さんのどっぷりとした書に、川島敏生さんの美しい写真が並び、谷川俊太郎さんの素直な言葉が添えられた、贅沢な絵本。書家自身の写真は、表紙と最後の方に1ページだけだが、左手で持つ筆、背中にまわった右手、と、いろんなドラマを感じさせる。ぼってりとした墨をたっぷりと含ませた筆を、一画一画堂々と進める筆遣いが迫力のある書。2014/07/26
greenish 🌿
59
【砂漠でみつけた一冊の絵本より】筆で書かれた「書」のもつ生命力・文字というものの持つ精神性や造形力を味わえる書と写真と言葉のハーモニー ---乾千恵さんの書・川島敏生さんの写真・谷川俊太郎さんの言葉が納められている。文字がこんなにも雄弁だとは驚きました。《風》かぜが きのうを きょうにつなぐ・・・ふわりとした文字が頬を優しく撫でる感触。《山》かなしみを うけとめてくれる しずかなやま・・・温もりのある大らかな文字が郷愁を誘う。《人》もじに ひそむ ひとの こころ・・・乾さん入魂の後姿 ただただ感動です。2014/01/30
はな
40
書道の字と写真で送る谷川俊太郎の句。文字の一つ一つからその意味、姿が伝わってくるようでした。特に私はこの本の「音」が好き。2020/07/07
KEI
39
柳田邦男さんの本に紹介されていた本。力強い書と写真、谷川俊太郎さんの文。この様な児童書があった事に驚いた。頁をめくる、そこには「扉」の書、そしてこの扉の先にはどんな庭が広がっていくのか?と思わせる写真、「こころのとびらをあけてごらん」この冒頭から独特の存在感に圧倒される。掲載される13の書はどれも書家の魂がこもっている。変わりゆく形の「火」静かな「山」、躍動感ある「音」「風」もいいな。そして「人」には「もじに ひそむ ひとのこころ」。 出会えて良かった本だった。2017/12/04
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- 和書
- 差別と弾圧の事件史