内容説明
一九一六年十二月、モスクワから百キロほどの村にある屋敷で華やかなクリスマスを心待ちにする少年と少女。やがてふたりを歴史の大波がのみこみ、革命派に追われて一家あげての逃避行が始まった。首尾よく国外脱出を果たすことはできるのか?幼くも激しい恋のゆくえは?起伏にみちた物語は、動乱期を生きる人々の姿をくっきりと描きながら、衝撃的な結末へとなだれていく…。心の底に生きつづけた激動の日々を描く自伝的作品。
著者等紹介
トロワイヤ,アンリ[トロワイヤ,アンリ][Troyat,Henri]
1911‐2007。モスクワの裕福な事業家の家庭に生まれるが、ロシア革命を逃れて一家は1920年パリに移住した。19歳で作家として出発、1938年に『蜘蛛』でゴンクール賞受賞。1959年にはアカデミー・フランセーズ会員に選出された。『女帝エカテリーナ』『イヴァン雷帝』『バルザック伝』などの伝記作品と並んで、『サトラップの息子』『クレモニエール事件』『石、紙、鋏』ほか多くの小説を著し、晩年に至るまで旺盛な作家活動を展開した
山脇百合子[ヤマワキユリコ]
1941年、東京に生まれる。上智大学卒業。現在、東京都在住
太田大八[オオタダイハチ]
1918年生まれ、長崎県出身。多摩美術学校卒業。現在、東京都在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kira
1
ユーリーとロシアという単語だけに惹かれて図書館から借りてきた本(笑) ロシア革命の最中のある一家と使用人家族の物語…なんだけど、不勉強でロシア革命?血の日曜日…ああ高校の時に習った気がする……と行った程度の知識しかなく、しっかりと時代背景が理解できないまま読んでしまうことに。ちなみに、ソーニャはいつユーリーのことが気になったの?むしろ、弟みたいな扱いをしていた気がしないでもない。ユーリーの心の描写は少年特有のもので素晴らしかった。2017/07/13
駒子
0
そろりそろりと手を伸ばしつつあるフランス文学(といっていいのか)。童話のような始まりにほくほくしつつも題材が題材なのでいつどんでん返しが来るのではと戦々恐々と読み進めていたが、子供目線のせいか意外と展開はゆるやか。そして最後の最後でやられる。ユーリー視点なのでソーニャの心境が全く分からないところが妙にリアルだ。2012/07/28
ベック
0
以前トロワイヤの「サトラップの息子」を読んだのだが、そこではロシア革命の戦渦を逃れてフランスに2007/11/12
Yumikoit
0
伝記物じゃないアンリ・トロワイヤなんて初めて読んだー。表紙からは想像もつかない話ですな。2009/03/07
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