出版社内容情報
子どもを食べて肥え太ったブナの大木と木こりが死闘を演じる表題作ほか、シュールで面白いお話5編が大集合! (S-14)
<読んであげるなら>---
<自分で読むなら>小学中学年から
内容説明
子どもを食べて肥え太ったブナの大木と木こりが死闘を演じる表題作、誇り高いカタツムリの波乱にみちた生活を描く「大きなカタツムリの話」、ヘビが手足をなくしたてんまつをつぶさに語る「ヘビの子の話」などなど、たぐいまれなお話集の第二巻には、とことん自在に物語の世界を広げる傑作五篇が大集合。小学校中級以上。
著者等紹介
ショヴォー,レオポルド[ショヴォー,レオポルド][Chauveau,L´eopold]
1870年、リヨンに生まれ、のちパリに出て医師となる。アルジェリアでの農場経営、軍医などの経歴をへて、第一時世界大戦後は創作活動に専念。多数の小説を発表する一方、塑像や絵画も制作。本シリーズを構成する絵入り本の数々で、ユーモアと機知に富んだ独自の世界を築いた。1940年没
出口裕弘[デグチユウコウ]
1928年東京生まれ。1951年東京大学仏文科卒。1992年一橋大学教授定年退職
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
98
レオポルド・ショボーによる子供向けの作品集2巻目です。1巻めの「年をとったワニの話」は別の本で昔から読んでいました。このようなほかの作品を読んでみるとどれもこれも若干残酷に感じるのですが、ここに収められている絵が何とも言えない味を出しています。特に「子供を食べる大きな木の話」は昔読んだ絵本の「オテサーネク」(チェコの作家ヤン・シュバンクマイエルの絵本で映画にもなっています)を思い出しました。2024/03/23
めしいらず
50
再読。ケッサク揃いの第二巻。子どもは残虐なお話が好きである。子どもはお話の整合性よりもその場その場が唯々面白いってことの方が大事である。そして生意気盛りの息子の破茶滅茶な小理屈に父は決して太刀打ちできない。やり込められて拗ねている父ショボー氏もまたお話にいい味わいを添えている。そしてルノー君によるくだんのちゃちゃ入れでアドリブ的に行き先を変えつつどんどこ転がる先の読めない展開の楽しさったら。いびつな物語とへんてこな語り口とのバランス感覚が絶妙だ。2020/01/26
めしいらず
49
ショヴォー氏が息子ルノー君に語るお話シリーズ第2弾。無邪気で率直なルノー君のツッコミは切れ味を増し、ムキになって言い返すショヴォー氏もタジタジ。2人の楽しい揚げ足取り合戦は、ルノー君優勢。酷い目に遭っても、生きることを前向きに思考する誇り高きカタツムリの話と、人間の子ども達を食べて大きく育ったブナの木を、木こりが退治して子ども達を救出する表題作が特に面白い。どの話も予定調和とは程遠い先の読めなさ。たまらんなぁ。2013/10/18
らぱん
41
シリーズ2作目は額縁小説としての額縁部分のやり取りが面白く、聴き手であったルノー君が騙り手にもなり、不条理度が増し、利発過ぎて小生意気にも見える子供のルノー君が物語を牽引している。5話のうち、わけわからん度が一番だと思う「ちいさなクマの話」が好きだ。子供の自由な発想が炸裂しているときに、大人はそれに適うはずがなく、無垢なものが持つ残酷性もまた物語を活かしていると感じた。最後にルノー君の弟のインタビューがあり、父親としての著者ショボーを読み溜息が出た。このトリビア的こぼれ話は蛇足ではないだろうか。2019/07/16
小夜風
30
【所蔵】ショヴォー氏とルノー君のお話集第2巻。前巻で免疫付いたかなと思ったけど、何のなんの!まだまだでしたね(笑)。お話の中にルノー君が出てくるところが微笑ましく、ホッとします。カタツムリのお話はそこへ繋がるのか~と感心しました。特にルノー君に届いたお手紙が凄く好き♪あとがきを読んでおふたりの生涯に衝撃を受け、作品中の幸せそうな姿に思いを馳せました。2016/05/08