出版社内容情報
ケンは4年生の夏休みに元船長さんと知り合い、大事な宝物にまつわるお話を聞くことになります。(S-12)
<読んであげるなら>---
<自分で読むなら>小学中学年から
内容説明
ケンは四年生の夏休みにもと船長さんと知り合い、大事な宝物にまつわるお話をきくことになります。それは、七つの海をかけめぐっての、おかしくて、ちょっぴりさびしいお話の数々でした!―ケンともと船長さんの友情は、少しずつ、静かにつよまっていきます。小学校中級以上。
著者等紹介
角野栄子[カドノエイコ]
1935年東京に生まれた。早稲田大学教育学部英語英文科を卒業、出版社に勤めたが、1960年ブラジルに出かけて2年間滞在、帰国後絵本・童話の創作をはじめた。『ズボン船長さんの話』(福音館書店)で旺文社児童文学賞、『おおどろぼうブラブラ氏』(講談社)で産経児童出版文化賞大賞、本書でJBBYオナーリスト文学作品賞、野間児童文芸賞を受賞。1984年には路傍の石文学賞を受賞。神奈川県在住
鴨沢祐仁[カモザワユウジ]
1952年岩手県生まれ。岩手大学教育学部特設美術科中退。1975年マンガ雑誌『ガロ』にてデビュー。ファンシー菓子メーカーや文具メーカーのグラフィックデザイナーを経てフリーランスに。マンガ家、イラストレーターになる。以来、「物質の将来」をテーマに少年クシー君と兎のレプス君が登場する形而上学的コミックシリーズを中心にマイペースで制作を続けている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
annzuhime
32
図書館本。喘息持ちの小学4年生のケン。夏休みにお母さんと一緒に空気の良い所で過ごすことに。その丘の上にやってきた元船長さん。庭に掲げたズボンの旗。7つの海を旅して集めた宝物。ズボン船長さんとケンとのひと夏の交流。不思議でおかしくて少し寂しいお話。CASA BRUTUSの大人も深読みしたいこどもの本100。2023/09/23
ぱせり
8
初めてケンと一緒に覗いた船長さんの家があまりに素敵で、歓声をあげたくなった。船長さんの語るお話は語り終わっても見えない所でずっと続いている気がする。ズボン号の新しい航海。乗っているのは船長さんとあと、だれとだれとだれ? 良い旅であるようにと祈る。ボン・ヴォヤージュ!2013/07/18
やんげき
5
おとぼけだけど、ちょっと不思議な冒険譚がとっても素敵な海洋冒険本です。海洋冒険浪漫となるとアドベンチャースリラーを思い浮かべるでしょうが、本作はファンタジーに片足を突っ込んだリアルという感じ。映画ビックフィッシュを思い起こす素敵なズボン船長さんが大好きです。ケンの家族の晩餐にお呼ばれして、背中を丸めて居留守を使う船長さんにグッと来ました。弱虫で節目がちな男の子が、夢を与えられとうとう夢に向かって大海原へ飛び出すお話。2018/06/17
保山ひャン
3
絵は鴨沢祐仁。丘の上の船長さんが、虚弱な少年に語る冒険譚の数々。幻のドードー鳥や、リズミカルなカルナバル、ワニをつれた魔術団、音の鳴るハーモニカ島、見えないお化けを診察、船上サーカス、海賊、ジプシー占いなど、夢のある体験談を聞きに行く少年はいつしか元気になっていく。それぞれがいい話なのには驚いた。少年だけじゃない、僕も元気になった。2016/12/26
バジルの葉っぱ
3
ズボン船長さんの若いころの航海冒険譚は7つともなかなか内容の濃いひきこまれまるお話。読後の充実感がありました。読みながら予感はありましたが、やはり最後の結末にほろり。まるで自分も親しかった船長さんとお別れしたようなしんみりした気持ちになりました。 (角野さんの文章、比喩の表現が素敵で好きでした。)2015/08/30