出版社内容情報
まる穴屋敷のあるじルナールは、ずる賢さと策略なら天下一品。狼も山猫も烏も鶏も、お百姓もお坊さんもやられ放題。中世フランスの雰囲気が漂う、痛快な動物ばなし。
<読んであげるなら>---
<自分で読むなら>小学中学年から
内容説明
赤毛のあいつがやってくる!中世フランスの野に森にふさふさしっぽをなびかせて風といっしょに駆けていくすばしっこくてわるいやつ。頭を使って体を張ってころんでもただでは起きないぞ!小学校中級以上。
著者等紹介
ショヴォー,レオポルド[ショヴォー,レオポルド][Chauveau,L´eopold]
1870‐1940。獣医学校長の息子としてリヨンに生まれ、のちパリに出て医師となる。アルジェリアでの農場経営、軍医などの経歴をへて、第一次世界大戦終結後は創作活動に専念。アンドレ・ジッドやロジェ・マルタン=デュ=ガールと親交をむすび、多数の小説作品を発表、一方で塑像や絵画の制作にも手をそめる。最愛の息子・ルノーに語った物語に、みずから墨一色の挿絵をつけた「アルバム(絵入り本)」を次々に発表し、ユーモアと機知に富んだ独自の世界をきずいた。ナチス・ドイツの侵攻せまるパリをのがれる旅の途上、ノルマンディーの小村で没する
山脇百合子[ヤマワキユリコ]
1941年、東京に生まれる。上智大学卒業。高校三年のとき、実姉・李枝子さんが同人誌に連載した「いやいやえん」に挿絵を描いたのがきっかけで、子どものためのお話に絵をつける仕事を始める。現在、東京都在住
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マカロニ マカロン
14
個人の感想です:B。12世紀後半にキリスト教僧侶が書いた『狐物語』が源流となり、その後イソップ物語や古代インド説話集などの要素も取り入れて30数編の狐(仏語で"renard”ルナァ)の物語が編まれた。本書ではアダムとエヴァの失楽園からスタート、エヴァがはしばみの棒を振ると狼とか狐と言った悪い動物が出てくるというミソジニーな話からスタート。その後、狐VS狼、山猫、人間、犬とのだまし合い、命をかけた闘いが描かれる。本書の翻訳と挿画は『ぐりぐら』の絵を描いた山脇百合子さん。ぐりぐらとは正反対なお話の本2023/12/29
omasa
2
開いた口がふさがらないというのはこういうことかな。主人公のきつねのルナールの悪いこと悪いこと。腹をすかせ、友達をだまし、時には痛い目に会うが反省はゼロ。山脇百合子訳、絵に可愛いおはなしかと思ったら大間違い、で、これはどういう本かと思ったら「中世フランスの動物叙事詩」ということ。「殿」と呼ぶのはそういうわけか。昔のフランス人はこういうのがお好きだったの?余程ストレスがたまっていたのかしらん。しっぽはちぎれる、お尻の肉とか食いちぎられる、暴力で瀕死になる…容赦がない。子どもにも悪さをする。女衆がまた欲深い。2022/07/29