出版社内容情報
ロビンとアイリスは、日本の土着の妖精たちと、地下に潜む邪悪なものたちとの戦いに巻き込まれていきます。(S-7)
<読んであげるなら>---
<自分で読むなら>小学中学年から
内容説明
日本の児童文学史に残る傑作ファンタジー『木かげの家の小人たち』の続編です。アマネジャキとともに信州にとどまることを決意したロビンとアイリスは、今度はモモンガーや花の精、木の精たちといった、日本の土着の妖精たちと、地下にひそむ邪悪なものたちとの壮絶な戦いに巻きこまれていきます。小学校中級以上。
著者等紹介
いぬいとみこ[イヌイトミコ]
東京に生まれた。2年間保母をしたあと、児童書の編集にたずさわりながら創作活動をした。2002年没
吉井忠[ヨシイタダシ]
1908年、福島県に生まれた。太平洋美術研究所をへて、1936年から37年まで、ヨーロッパで研究。1999年没
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
63
前作は人間の世界からみた物語。近代日本の暗い歴史と重ね合わせ、ミルクという食物をキーとして、小人たちの行く末を、緊張感をもって読ませるようになっていた。本作はさらに長い物語となり、小人とつながる自然の精霊たちが、邪悪な存在と闘う。人間との関係はほぼ、信の子どもの純ひとりだけで、前作とは共通する設定があるものの、自然界の中の冒険として読める。「いのちの水」「死の川」などが人間と自然との関係を象徴しているが、物語にはさらに続きがあるかのようなラストを迎える。野尻湖といえば、そう、発掘された古生物を思い出す。2021/05/20
たぬ
15
☆4 「木かげの家の小人たち」の続編。小人たちの話メインとなって話の舞台も時間軸もスケールが大きくなりファンタジーモード大幅アップ。草木の小人や木の精、アマネジャキにモモンガーに山父といった妖怪(仮)に「八百万の神々」を感じた。死の川といのちの水は作中では死の川が圧倒的悪として描かれているけれど、2024年の現在ではそうも言ってられない面がありそうで…。反戦思想の強さも印象に残った。2024/10/13
Norico
11
木かげの家の小人たち続編。ゆりと分かれて生活を始めたロビンたちの冒険。アマノジャキは、最初の天邪鬼ぷりが嘘のようにいい奴だ。ハトの弥平の孫の余平もよいなぁ。キノコやモモンガの妖精もかわいい。山父は最後ちょっとかわいそう。信の息子の純くんもだけど、森下家の子たちは純粋だなぁ。ゆりさんが出てこなくてさびしい。2021/05/15
みみこ
4
好き嫌いで言ってしまえば前作の方が好きなのだけれど、作者の焦燥も想像できるだけにそういった尺度で捉えるのはどうかと思う。でも子供にとってはどうなのだろう。2018/06/20
ヨリ
4
前作があまりにも現実の日常のとなりに小人たちが存在してる話で、大好きだったからちょっと拍子抜け。これはあくまでファンタジーで、別の物語と思って読めばよし。コップが実ったのはナゼ??2006/01/01