出版社内容情報
草ぶきの家や小さな屋根窓やはば広の煙突がめだつ、イギリスのふるい村。そのなかの貧しいくつなおしの店で起こった、小さな奇跡……。人の善意が織りなす美しい妖精の物語。
<読んであげるなら>5・6才から
<自分で読むなら>小学低学年から
著者等紹介
アトリー,アリスン[アトリー,アリスン][Uttley,Alison]
1884年、イギリスのダービシャーの古い農場に生まれる。広い野原や森で小動物とともにすごした少女時代の体験をもとに、たくさんの物語やエッセーを書いた。1976年没
松野正子[マツノマサコ]
1935年、愛媛県に生まれる。早稲田大学国文科卒業後、コロンビア大学大学院で児童図書および児童図書館について学ぶ。大阪府在住
こみねゆら[コミネユラ]
熊本県に生まれる。東京芸術大学、同大学院修了後、1985年フランス政府給費留学生として渡仏。八年間滞在する。初めての絵本『Les deux Soeurs』(ipom´ee‐albin michel)をフランスで出版。小さな人形作品も制作、パリ、東京、スウェーデンでイラストと人形の個展を開く。東京都在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はる
51
あたたかなファンタジー。こみねゆらさんのリリカルな挿絵もとてもいい。貧しい靴職人のおじいさんと孫のジャック。2人は足の不自由な少女のために、快適な靴を作ってあげようと考えます…。ジャックと少女の淡い関係がいいですね。おじいさんの職人気質も。職人のおじいさんと小人というと『チックとタック』を思い出してしまいます。2020/10/07
とよぽん
46
世界傑作童話シリーズ・・・靴の直しやさんは、貧しいけれど確かな腕を持つおじいさん。孫の少年も健気で心優しい。隣に住む足の悪い女の子のために、足の痛みを和らげる赤い靴を作ってあげる。その赤い革が不思議な力を持っていて・・・。妖精にも靴を作ったおじいさんは、多くの恵みを受け取ることができた。絵も素敵だった。2021/11/05
ケ・セラ・セラ
22
子どもの頃に読んだ懐かしいお話に、再び出会ったような感じ。隣に住む足の悪い女の子へのプレゼントに、職人のおじいさんに1シリングで赤い皮を買ってもらい靴を作ってもらった少年。わずかに残った皮でおじいさんが小さな小さな靴を作っておいたら…。清らかで真っ直ぐに生活している人たちのところに妖精がやってくる。こみねゆらさんの絵もぴったり。夢のある心温まるお話でした。2021/12/19
mntmt
21
靴屋のおじいさんが、小さな靴を作るまでの過程が良かった。ただ何気なくじゃない所がいいのだ。原題:The Cobbler's Shop by Alison Uttley2015/11/23
ヒラP@ehon.gohon
16
さびれたくつなおしの店のおじいさん。 孫のジャックの優しさが幸福を運んで来ました。 ジャックに頼まれて、足の不自由なポリーのために作った赤いくつで、ポリーの足は治っていきました。 余った革で作った小さな靴は、妖精の足にピッタリ。 妖精たちもおじいさんも幸せになって、ハートフルな物語にまとまっています。 こみねゆらさんの、しみじみとした絵が、とても効果的と思います。2016/08/23