出版社内容情報
大火によって丸裸になった民衆の怒りをそらすために、すべてをキリスト教徒の責任にし、やがてネロの命令のもとに大虐殺が始まる。地下牢に捕らわれているリギアの運命は……。
<読んであげるなら>---
<自分で読むなら>小学高学年から
内容説明
ネロの時代のローマを背景に、迫害される初期キリスト教の運命を描いた、愛あり冒険ありの血湧き肉躍る物語。ノーベル文学賞を受賞したポーランドを代表する歴史小説家の代表作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
135
この作品を子供が読みとおすのは大変であると思われました。まあ下巻に入り、結構波乱万丈の物語になるのでローマのネロの時代の物語という点でみれば世界史の勉強になるのでしょうね。キリスト教がどのような扱いを受けたか、ということも一つの勉強になるのでしょう。2017/02/28
みけねこ
3
一応ハッピーエンドなんだけど、読んでいて気持ちいいものではなかった。下巻は残虐な描写が多いのと、血が流れすぎて、ちょっと気持ち悪くなった。色の感覚だけど、炎とか血のせいで物語が全体的に赤い。ウィニキスも上巻はだいぶ血の気が多いので、赤い。苦悩の先にある幸福よりも、残酷な描写の方が強くて、地味にしんどい。2024/04/21
Нелли(ネリ)
3
長い前置きだった上巻から一転、非常にドラマティック。遠藤周作の沈黙が頭をよぎるせいで、どうなるか最後までわからなかった。誰ともつながっていて誰からも距離をとっているペトロニウスが魅力的。2015/11/05
帽子を編みます
2
一応下巻も感想を。 スペクタクルなロマンもこの巻で終結。キリスト教の勝利、人類愛の偉大さなどが述べられます。岩波文庫にもあるらしいけど、この挿し絵見たら、この本を選びたくなるでしょう。でも、児童が借りていないから、図書館の棚から外された可能性もあります。ポーランドの作家なので、ロシアその他のコーナーにあると思います。
baアタマ
1
1896年ポーランド。古代ローマ、ネロ帝の時代を舞台にキリスト教の黎明期を描いた恋愛あり権力闘争ありの大河小説。タイトルは「何処に行かれますか」というラテン語だそうで、その言葉で閉じられるこの小説はその後も暴政、戦争、災害…人類の試練のたびに投げかけられてきた問なのではないかと思いました。(作者や聖書の意図とは違う感想だと思いますが)吉上昭三さん訳 津田櫓冬さん絵 2014/06/02