出版社内容情報
エスキモーの人々に伝わる”ことば”のもつ不思議な力を歌った詩と、プリミティブな迫力のある絵とが一体となって、大昔のおおらかで魔力に満ちた世界を伝える美しい絵本です。
<読んであげるなら>5・6才から
<自分で読むなら>小学低学年から
内容説明
「ずっと、ずっと大昔、人と動物がともにこの世にすんでいたとき、なりたいとおもえば、人が動物になれたし、動物が人にもなれた。…」人と動物の区別がなかった大昔、みんながおなじことばをしゃべっていて、そのとき、ことばは、魔法のことばだったのだ。エスキモーの人々に伝わる、「ことば」のもつ不思議な力を歌った力強い詩と、おおらかで迫力のある絵とが一体となって、魔力に満ちた始原の世界を伝える美しい絵本。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
seacalf
60
エスキモーは『生肉を食べる人』という意味の蔑称だからイヌイットと言うべきだと教わってきたが、最近ではどうやら『かんじきに張る網を編む動作を意味する』言葉という説も有力らしい。それはともかく、エスキモーに伝わる詩をもとに作られた絵本。なんとも力を感じる絵と内容だ。魔法のことばが存在した遥か遠い昔のニンゲンや動物たち、そして世界はこんな風な関係だったんだろうか。有史以前から伝わってきた彼らの言葉にもっと触れたくて、この絵本のネタ本である『魔法としての言葉ーアメリカ・インディアンの口承詩』も読んでみたくなった。2022/03/24
そら
30
エスキモーに伝わる詩。絵もいいし、詩もいいし、すごく素敵!お知り合いに借りた絵本だけど、私も購入しよ〜💕2023/02/07
anne@灯れ松明の火
21
新着棚で。柚木さんに惹かれて。金関さん「訳」とあり、どういうことかと思ったら、扉に「エスキモーに伝わる詩」とあった。シンプルで、力強い詩。昔は、確かに、こういう世界だったんだな、言葉には魂が宿っていたんだな、と納得させる力があった。柚木さんの絵もまた、同様。明るく、カラフルな色づかいで、ワクワクさせられた。21年12月発行なのに、登録数があると思ったら、1994年発刊のものを判型、文字づかいなどを変更して再発行したものだったから。2022/02/21
anne@灯れ松明の火
17
ぬいぐるみを抱いて鑑賞する、「ぽらんころゆうこ」さん演じる紙芝居「ホロロン ホロン」は、この絵本になっている「魔法のことば」=エスキモーの人々に伝わる一遍の詩からイメージをふくらまし、創作したものだった。(出だしに、この詩が登場するが、本編はオリジナル)このきっかけを知り、再読。大昔、人と動物に区別はなく、みな、同じ言葉を話していた。口に出した言葉は現実のものになる。理由はわからないが、そういうもの。「言霊」というものを信じ、言葉を大切にしようと思う。柚木沙弥郎さんの絵が見事! 金関寿夫さん (翻訳)2024/04/10
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
17
エスキモー(現在はイヌイット)の口承詩が絵本になってます。文字のなかった時代に、言葉の持つ力を語られていることが、魔法に思えました。2020/05/24