出版社内容情報
砂漠という過酷できびしい自然環境を舞台にして、人と人、人と生き物、人と自然との間でくりひろげられる壮烈な物語。生き生きとした砂漠の描写も見所です。
<読んであげるなら>---
<自分で読むなら>中学生から
内容説明
過酷な砂漠とその中で生きる人々のドラマ。
著者等紹介
郭雪波[クオシュエポ]
1948年、中国内蒙古庫倫旗の生まれ。モンゴル族。1980年、北京の中央戯劇学院卒業。現在、北京の出版社に勤務
松瀬七織[マツセナナオ]
埼玉県に生まれる。中国文学専攻。大学で中国語を教えながら、主に中国の民話を研究している
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぱせり
9
悪魔の砂漠の無情さ。それなのにはっとするほどの美しさも感じるのです。魅入られてこの地に根をおろす人たちがいる。人、動物、の区別なく、誠意を尽くすべきは、同族の隣人たちではなくて、もっと大きなものなのだ、とこの本は厳しく告げます。生き残る、ということだけがすべて。それは自分が、ということではなくて、命が、でした。2010/04/04
lemon tea
5
地味に見える本ですが内容が想像をはるかに超えて良かったです。一気に読んでしまいました。素晴らしい!2009/12/13
郷里
0
中国の「マングス(悪魔)の砂漠」と呼ばれる場所を舞台にした4つの短・中編。野生と人間性の戦い、一人と一匹の母の戦い、人と自然の戦い、砂漠との戦い。勝ち目なんてありそうもないのに勝負する主人公は皆、強い執着心に突き動かされた狂人的な人物で、彼らの行く末が気になりページをめくらずにいられなかった。特に印象的なのが「砂漠のまつり」。ホーイエがアンダイの儀式を披露するシーンがとても映像的で、美しく、妖しく、生命力に溢れていた。中国の伝統、砂漠に生きる民族の精神が垣間見える物語だった。2009/04/02