出版社内容情報
絵本(幼小)
雨の降る暮れ方にどこからともなく現れた美しい女。貧しい若者は女と結ばれて…不思議でせつない物語を,魅力あふれる語りと絵で。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chiaki
37
寝る前読み聞かせ。雨降る夜、一人暮らしの貧乏な男の元に、旅の者と名乗る若い女が泊まることに。よく働き、家事をこなすその女は一向に旅立つ様子もなく、嫁にしてくれと頼み、やがて"ててっこうじ"を授かる。とっつぁが田んぼに行ったその時、ふと機織りの手を休めて見た椿の花ざかり。その光景に見とれているかかを見たててっこうじは、かかのある姿に気づく…。これはあまりに切ない。かかの子守唄に目頭が熱くなる。かかはたった一人のかかであり女房なのに…。「とととおまえがまめなよに かかがまもってやるすけに」いちごさけたどっぺん2021/01/28
gtn
30
夫はショックはあるものの、妻に居て欲しかった。なのに出ていってしまった。妻の出自の悲しみはそれほど深い。2020/10/21
Lesen
23
雨の降る晩、男の後を付いてくるものがあった。振り向くと若い女だった。今夜泊めてもらおうと付いて来たのだった。やがて二人は、夫婦になった。子を想う親の気持ちが現れてますね。椿のページが圧巻です。見惚れてしまうのも分かる。切なく、愛おしく、温かい物語。2015/07/30
あおい
21
貧乏な男のもとにやって来たいとしげな若い女。女はいつしか男の妻になりかわいい息子も産まれるが…。妻が見とれる椿の絵が見事。そして離れても夫や子を思う妻の気持ちが切ない。2016/09/03
どあら
19
片山健さんの椿の絵は素晴らしいです。しっぽが出ちゃうのも頷けます。2014/03/28