内容説明
ある朝、目ざめた少女コルナは、「今日こそ旅立ちの日だ」という確信を持つ。なぜだかわからぬまま朝霧の流れる河岸に歩み出たコルナを待っていたのは、見たこともない一隻の美しい船だった。コルナをのせた船は、広大な青海原をすべるように南へと向かう。紺碧の海に囲まれ、緑したたる島マムダへ…。いにしえに神と人が同じ時空で幸せな暮らしをつむいでいた神話的な島マムダ、そして今は邪悪な神々を奉ずる他国人による圧政に苦しんでいるマムダへ。故知れず旅立ったコルナを待ちうけていたのは…。小学校上級以上。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りー
4
最初からさいごまで全力疾走している物語で、次々に運命が変転し、登場人物が増えて、え?あと60ページで終わるの?と心配になりましたが、収まりました。でも、最後の方はちょっとついていけなくなりました。子ども時代に読んでいたらどう感じたかなー。インドネシアのバリ島を思わせる描写が多いです。そして、この奇妙な物語に有無を云わせぬ説得力をもたらしているスズキコージさんの絵。ちひろ美術館で見た「聖コージスキンの誘惑」展を思い出しました。もはや挿し絵の域を超えています。2019/03/27
kuragemaru
1
なんだか、凄い本を読んでしまった。出来栄えとか好みとかは関係なく、これだけ濃密で長い作品を書きあげた作家と、編集し世に問うた出版社に圧倒される。「子どもが読みやすいから一人称で!」とか言っている今時の出版社では無理だろう。物語は、神様にスポットライトが当たっていて、人間は「老人」「子ども」「母親」という記号なのだけど、この作品は神々の叙事詩だから、それで良い。バリ島を思わせる(行ったことないけれど)、色彩と湿度、緑の匂い。スズキコージの絵が贅沢に使われている。2017/08/10
すみ
0
小学生時代に読んだ懐かしい本。久々に読みたくなったが、絶版になったと知り通販で入手しました。 読んだ感想……記憶してた10倍重かった。これを愛読書にしてた高学年時代の自分どうしたと問いただしたい思いが否めないが、やっぱり懐かしいものは懐かしくて、550頁近くを一気読みしました。2016/05/04
co_no
0
小学校の図書館で1冊だけ覚えている本である。(あとはブッダ、三国志、はだしのゲン。漫画である。)島のむっとした空気感を感じたように思う。後に調べて創作だと知り驚いた。
tcmcmykn
0
当時小学生だった自分には難解だった気がします。大人になったので、まだ実家にあるなら再読してみたいです。