出版社内容情報
北米大陸でイギリス軍とフランス軍が戦争をしていた頃、父親の救出に向かった美しい姉妹が護衛のインディアンに裏切られ、壮絶な戦いに巻き込まれる大冒険物語。現在唯一の完訳本。
<読んであげるなら>---
<自分で読むなら>小学高学年から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やいっち
69
「北米大陸でイギリス軍とフランス軍が戦争をしていた頃、父親の救出に向かった美しい姉妹が護衛のインディアンに裏切られ、壮絶な戦いに巻き込まれる大冒険物語。現在唯一の完訳本」だという。白人からすると裏切りだろうが…。映画化もされている。映像美の見事さでも有名な映画。それとも映像美化? 掲げた本の表紙はN・C・ワイエス画である。ワイエス…。但し、かのアンドリュー・ワイエスの父で挿し絵画家の作。
yos
6
弁当箱のような本。ずっしりと重く、厚みが嬉しい。まさしく”これぞ本”という感じ。図書館で借り、読み終わるまでに1週間かかった。長かったが、大満足である。手に汗握る死闘や息詰まる追跡の場面が次々と展開し、壮大にして壮絶。大仰で無駄に饒舌な表現の数々は、古き良き時代のたまものだ。一方で、静かに心を通わせる父子の細やかな愛情や、決して友を見捨てない深い友情、目上の者を尊重して運営される民主的な会議など、インディアンの優れた資質も余すところなく描かれ、心を打つ。モヒカン族最後の若者アンカスが、ものすごく格好いい。2007/11/16
Fumitaka
5
レーニンやスターリンが読んだ本の一つ(本当)。フレンチ・インディアン戦争を舞台に、拐かされる美女、アメリカ先住民の敵や協力者、先住民の文化に通じた白人のヒーロー、苦難を乗り越えた戦友の絆など色々王道っぽいものが描かれ、解説にもある通り西部劇の先祖もしくは最初期の作品ともいえるかもしれない。フランス側のモンカルム将軍、実在するのか。ただ、作者のクーパーはインディアンの文化や、あるいは黒人の血筋に対して間違いなく一定の敬意を払ってはいるのだろうが、先住民族の描き方は明らかにオリエンタリズムの気配がある。2022/11/07
がんぞ
4
1826年はアメリカでは十分古典。古典として無数の大衆小説「西部劇」の原点になった。舞台はフレンチ&インディアン戦争のカナダとの国境に近いNY州(当時、都会は東海岸だけ)。P324「ずるがしこい白人は、敵と味方をごちゃまぜにし…ヒューロン族とオナイダ族はほとんど同じ言葉なのに殺し合っている…デラウェア族は二つに分かれしまい、大部分はヒューロン族を憎むあまりカナダに移った…」部族対立を煽ってイギリスとフランスの代理戦争が行われ、「ウイリアム・ヘンリー砦の大虐殺」、人質(戦利品)とされた将軍の二人の娘を追跡…2017/04/13
vunco
3
世界の冒険文学の1冊として読んだ。ワクワクしながら読んだのを覚えている。2024/08/14