感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
106
子供の絵本の割には執筆者が種村季弘さんということでかなりしっかりした内容となっています。むかしのギリシャ神話や中世の王宮の防御のために作ったのが庭園で楽しむようになったとか。エッシャーの絵もいいのですが最後にある川原田徹さんの描かれた「かぼちゃ島迷宮」の内部が楽しめます。2017/07/01
ちえ
33
迷宮(迷路)って子どもの頃も今もドキドキする。ヨーロッパの迷宮庭園やクレタ島の迷宮、迷宮の歴史や日本の迷宮模様(渦巻や巴、同心円)迷宮からいろいろな世界に繋がっている。「迷宮」といる言葉と「かぼちゃ人類学入門」の河原田さんの絵に惹かれて読んで、これまたとても面白かった。最後の「…本も一種の迷宮なのですね。ですから皆さんもこの本の中に入って、ほらこうして出てこられたではありませんか。迷宮も本も複雑になればなるほど面白いんだ。今度はどんな本の迷宮に挑戦しようか」という作者から子供の読者への言葉がいい。2019/01/13
猫森
5
種村さんの絵本! 建造物としての迷宮も好きだが、庭に拡がる生垣の迷路や、草原の中に突如現るレイレの石迷宮もいいなあ。すぐに出口(正解)に出る(たどり着く)ことよりも、ずっと中でふらふら彷徨い、隅々まで自分の足で歩いて確かめてみるのも楽しそう。RPGみたいに。迷宮の中で、自分だけの物語を探すのだ。2023/03/18
サト
3
種村季弘の迷宮についての考察。複数ある考察のひとつは、迷宮は模様であり、模様のうえを歩く舞踏である、つまり迷宮舞踏であるという考え。冬、迷宮に閉じ込められた少女が春に救われること、陽気なお祭りで踊ることが符合するのだそう。迷宮は4000年、5000年前の青銅器の時代から絵が描かれており、人は昔から心を奪われていたのですね。フランスのシュヴァルの理想宮の例も、迷路や渦に心を奪われた一人の郵便配達員が、3年で作り上げたというのが驚き。本書にはありませんが伊藤潤二の『うずまき』を思い出しました(1989年発刊)2025/10/24
さたん・さたーん・さーたん
3
シュヴァルの宮殿が載っていたので。古今東西の迷宮、ぐるぐる渦巻きなど紹介するとともに川原田徹氏の書き下ろし迷宮図も掲載。迷宮=神聖な儀式、舞踏の意味もあったとのこと、スーフィーダンスなども連想した。2024/12/17




