福音館文庫<br> へくそ花も花盛り―大道あや聞き書き一代記とその絵の世界

福音館文庫
へくそ花も花盛り―大道あや聞き書き一代記とその絵の世界

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  • サイズ B6判/ページ数 428p/高さ 17cm
  • 商品コード 9784834008777
  • NDC分類 K723
  • Cコード C8295

出版社内容情報

60歳で初めて絵筆をとったあやさんは、けとばし山に住み、ともに暮らす生きものたちを主人公に、数々の絵本を世に送った。(N-10)

<読んであげるなら>---
<自分で読むなら>中学生から

内容説明

六十歳のとき初めて絵筆を持ち、素朴画家として花を咲かせた大道あやの回想記。広島のしずかな山間の村で生まれ育ったお転婆でこまい女の子のアヤコは、やがて結婚。広島での被爆、次々おそう最愛の人たちの事故や死をへて、ともに暮らす生きものたちを主人公に、お日さまの光あふれる絵を描きはじめる。中学生以上。

目次

聞き書き一代記(幼い日々;母のこと・丸木のこと・大きい兄のこと;有為転変;私の極楽;絵本作りの日々)
大道あや・その絵の世界(絵本と本のための絵;展覧会の絵)

著者等紹介

大道あや[ダイドウアヤ]
1909年、広島県に生まれる。安田高等女学校を卒業、その後26年間、広島で美容師の生活をおくる。60歳から絵を描きはじめて上京、埼玉県東松山市にある実兄の丸木位里、俊夫妻の「原爆の図丸木美術館」に住む。女流画家協会展、日本美術院展にたびたび入選したのち、院展院友、女流画家協会会員になる。79年、埼玉県越生町に、母の丸木スマとあや自身の絵を展示するオッペ美術館を開設し、ここで絵を描きながら農業に従事する暮らしをつづけていたが、2003年、広島にもどり、現在は息子夫婦、孫たちと暮らしている
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Midori Nozawa

7
2004年初出。1975年初出の本「ねこのごんごん」を我が子に買ったと思います。その作者です。埼玉県東松山にある丸木美術館(原爆の図で有名)を作った丸木位里氏の妹さん。お母さんのスマさんは位里さんが画家になる夢を実現するために夫の実家とも激しくぶつかる愛情の人でした。さてタイトルの「へくそ花も花盛り」へくそかずら(どこにでもある目立たない花)だって盛りがあり、マスさんの言った言葉でした。あやさんの波乱万丈の人生は「おしん」にも通じます。母・息子・娘それに息子の連れ合い4人は絵によってつながりました。2020/04/15

スゲ子

5
『原爆の図』の丸木位里の妹さんのお話。これがもう波瀾万丈という言葉では足りないぐらい波瀾万丈!少女時代はお転婆で釣りや木登りが大好き、貧乏だけどお金持ち女学校に行く(制服かわいい)そして結婚。嫁姑大戦争。婚家を出て美容師に。戦後は花火師になり、60歳過ぎて描き始めた絵が院展に入選!(収録されている絵がどれも素晴らしい)原爆や家族の悲劇を強靭な生命力で乗り越えていく、この波瀾に満ちた昔語りの最後がなぜか「秘伝の薬の作り方」で締めくくられるのがカッコいい!2020/08/22

ちゅら。

5
60歳で画家になった大道あやさんの人生・・原爆から息子の事故、夫の事故死。この人生があったから小さな生き物にも愛情溢れる絵が描けるのか。あやさんのこまい身体に詰まっている、博愛とバイタリティーに感銘を受けた。2009/10/23

こまこま

4
【本棚】2月末、図書館に追悼コーナーができていて、愕然としました。昨年の9月に101歳で永眠されたとのことでした。初めて長崎で大道さんの絵を見た時の衝撃は忘れられません。絵の持つ生命力にただ圧倒され、絵を描くってこういうことなのか、と思いました。それから何度も足を運んでいますが、大道さんの絵がそこにあることにいつも安心します。本を読んでいると、本当に何事も全身全霊で受け入れた方なのだと感じました。他の美術館もいつか廻ってみたいと思います。2011/04/05

せい

2
まず広島の山奥の集落で過ごした幼少期の話が本書の中でも一番素晴らしいパート。『大草原の小さな家』や世界記憶遺産に登録された山本作兵衛の炭鉱記録画的な趣があり、子どもの眼を通した山村での暮らしが生き生きと語られます。原爆体験、母の刺殺、夫の爆死、物凄い職業遍歴(美容師→花火師→画家)と波乱万丈過ぎる人生なのに少しも悲壮感が無くむしろ爆笑しながら読めます。まるで百年の孤独。読み終わった後「ああ、これぞまさにマジックリアリズム…!」と膝を打ちました。 ほんとお勧めなのでみんな読んで!!!!!2019/07/14

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