出版社内容情報
わたしは山口みち子、5才。お兄ちゃんからみると“妹”でも、犬からみると、“人間”。わたしはひとりなのに呼び名はいっぱい。社会関係を楽しく描きます。
<読んであげるなら>4才から
<自分で読むなら>小学低学年から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のっち♬
175
「わたし」とはなにか?それは他者が存在してはじめて生まれる概念であり、その関係性によってでしか規定され得ないものである。本作の凄さは普段意識されない当たり前の事実を非常にわかりやすく、的確に、そして面白おかしく表現できている点だ。性別、親族、社会的な立ち位置のみならず動物や宇宙人まで視点は加えられる。デザインのシンプルさと鮮やかなコントラストに加えて、「ちび」「でか」でフォントサイズを変える長の機転の効かせ方も秀逸で、「レントゲンでみると!」でアイデンティティに揺さぶりをかける攻め方が谷川らしいと感じた。2024/02/01
やすらぎ
165
わたし、ひとりしかいないわたし。1981年、谷川俊太郎さんと長新太さんのコラボ絵本。わたしはわたし。でも、みんなからみたら、わたしはわたしではない。山口みち子さん、そう呼ばれるときもある、わたし。親からみたら、祖父母からみたら、兄妹や友だちからみたら、わたしってなに。誰にとってのわたしなのかな、谷川さんの詩には不思議な力があるなぁ。その視点の数だけ出会いがあって、わたしを知っている。支えたり、支えられたりしながら、みんな生きているんだね。パラパラ漫画みたいに頁を捲ると、長さんの描いたわたしが動いて面白い。2025/03/30
Kawai Hideki
114
「わたし」は一人だけど、相手の立場によって色んな呼び方があるよね、というお話。赤ちゃんから見ると「お姉ちゃん」だし、お兄ちゃんから見ると「妹」、両親から見ると「娘」、先生から見ると「生徒」、隣のおばさんから見ると「山口サンの下のお子さん」、犬から見ると「人間」・・・と、「わたし」という相対的で多面的な存在が見えてくる。2016/09/25
keroppi
83
「MOE」谷川俊太郎特集で知って読んだ。谷川さんは、「君たちはどう生きるか」が、この「わたし」のもとだと言っていた。自分を様々な視点から見つめることは、とてもいいことだと思う。2022/06/18
☆よいこ
73
かがくのとも絵本。「わたし」おとこのこからみると、おんなのこ。あかちゃんからみると、おねえちゃん。おにいちゃんからみると、いもうと。きりんからみると、ちび。ありからみると、でか。▽他の人からみると「わたし」はそれぞれ違った呼び方をされる。「わたし」ってなにかな?わたしはわたし。2019/05/21